春日劇場
今日も今日とてオードリーさんの話でたいへん失礼いたします。
テレビではあんなにキャッチーでポップでメロディアス（あえて音楽的表現）なふたりなのに、知れば知るほど底なし沼のような奥深さを見せていくドリさんというコンビ。それが顕著なのはやっぱり雑誌で、それぞれのインタビューとか読むと身震いしそうになるわけですよ。泰然自若という四字熟語が歩いてるみたいな春日と、破壊衝動を秘めてるわりにはうじうじとめんどくさく思い詰めるタイプの若林。そんな対極にいるふたりが中学校から友達づきあいを続け、今や仕事のパートナーにまでなっていると思うと、人間関係って神秘だなあと思う。
春日はどうしてこんなにも堂々としているんだろうと、長い付き合いの若林ですら首をひねる疑問について、クイックジャパンのインタビューで春日は語っていた。
春日が芸人をやっている理由はおそらく、「春日が芸人をやったらどういうことになるんだろう？」という自分への興味からかもしれないですね。
超客観主義者。でも裏を返すとこれは度の過ぎたナルシストとも言えるわけで。ほんとこわい人ですよこの人。でもその感覚ってなんとなくわかる。わたしがどん底みたいな時期を鬱にもならず乗り越えられたのは、「こんな経験したらわたしはどう思うんだろう、どうなるんだろう」っていう変な好奇心があったからだった。まあ、自分をトゥルーマン・ショーのジム・キャリーに例える春日さんの足下には遠く及ばないですけども。
で、そのザ・客観性が炸裂した瞬間がこないだのANNであったので書き起こしてみました。ほぼ若林が「おまえおもしろすぎるだろ」ってデレデレしてんですけど、よく目を凝らして春日の客観性をご覧くださいませ。
2010.12.4
- 若 いや、でもおまえは面白いな。こんなこと言うのもあれだけど（笑）春日なんて場がおごそかであればあるほど面白いじゃん。だからやっぱほんとはバラエティ出ないほうがいいんだよね、おまえはね。
- 春 あーあーあー。
- 若 ほんとはNHKの７時のニュースに出るのが（笑）おまえがいちばん面白くなるのは。
- 春 そうね。きっちり横分けでさ。
- 若 やっぱだから、M-1なんてピリピリしてんじゃん、もともと。面白いんだよ、やっぱり。ああいうとこでおまえが出てくると。だってトロンの記者会見つってハリウッド女優とね、ディズニーとね、監督と会社の人と、外苑の美術館のさ、で、記者じゃん、要するに。
- 春 そうでございますな。
- 若 お笑いの匂いが結構ないでしょ。まあゼロですよ。
- 春 まあ必要がないというかね、そこじゃないもんね。
- 若 あそこでトロンスーツ着て出てきてさ、普通に下向いて歩いてくるんですよね。なんか空気作って、なんつうんだろうな、ちゃんとした気持ちで出てきて。自分の立ち位置立った瞬間に、くっ！て構えるんですよ春日さん（笑）。
- 春 はははははは！
- 若 やっぱ面白いもんなおまえは。ほんと面白いな。俺ね、こいついちばん面白いなと思った。
- 春 はははははは！
- 若 いちばん面白いなっていうか、いちばんバカなんだろうな。
- 春 テンション上がっちゃって、お膳立てされてるから。ああいうすごい場が。
- 若 おまえはほんとに、やっぱバラエティ出ないほうがいいよ。
- 春 それはそれで困っちまいますけどね。
- 若 やっぱりおまえは太田総理とか出てるときが面白いね。
- 春 んふふふふ。お呼びでないところでしょ。
- 若 ほんっとにそういうとこに出てほしい。だからおまえ、事業仕分けの現場とか行ったらちょう面白い。
- 春 ああ、いいねいいね！
- 若 ははは！胸張って！
- 春 胸張って、後ろのちょうどいい感じで見切れるぐらいのとこでね、見てる感じでしょ。
- 若 そうそうそう。あれでまずは本意気のトゥースね。いちばん面白いよね（笑）。
- 春 で、蓮舫さんがね、廃止！みたいな時に「きゃーーーーー！」とか言う（笑）。
- 若 ひゃひゃひゃひゃひゃ！
- 春 まあ言いたいけどね（笑）。
- 若 いや、いちばん面白いねおまえは。どこ歩いてたらいちばん面白いかなおまえ。シルクロードとかね。
- 春 ははははは！
- 若 やっぱだから、スーパーボウル行った時にグラウンドの下降りて取材するじゃない。外国のクルーいっぱいいるじゃん。アメフトのいちばんの祭典で。
- 春 そうでございますよ。
- 若 アメリカ人で満員になってるスタンドに向かっての本意気のトゥース。こいついちばんおもしれえなと思った。今までの歴史上のコメディアンでいちばんおもしれえなと思った。トゥース！ってやったらゆっくりハンバーガー食ったからね（笑）。
- 春 はははははは！やっぱね、外国っていうのはテンション上がるね。
- 若 ショーの発表の場とかさ、そういうとこに行ってほしいけどね。授賞式とかね。芥川賞の授賞式とか出てほしいな。ただ出席してるだけでいいんだけど（笑）。
- 春 ただそこにいるっていうね。それはもうでかくなればでかくなるほどやっぱりテンション上がりますよ。
- 若 （トロンの時）リムジンから降りる時も俺が先で、執事みたいな人がカーペットのとこでドア開けるんですよ。したら俺がリムジンに乗ってるのが記者に丸見えになるんだけど、記者の人最初シャッター炊いてなかったもんね。春日が降りてから歓声みたいのがわいてたもん。おおーっ！て。
- 春 まあ春日はトロンスーツ着てたからね。っていうのもあるでしょうけどね。*1
- 若 ああいう近未来の似合うもんね。
- 春 あたし？
- 若 面白いよね。
- 春 んふふふ。そうでございますか。
- 若 最初見た時は、事件の証拠の品を捜索して川に入る人みたいな感じに見えましたけど（笑）。
- 春 はいはいはいはい。川底をさらうってやつでしょ（笑）。
- 若 （春日は）背中にディスクをつけてるんですよ。ディスクが重要なのよね。命に関わるぐらい大事なものなの。そのディスクを手に持ってたんですよ、春日さんはトロンスーツ着て。要するにDVDとかCDみたいなディスクが背中についてて。
- 春 まあ円盤のやつですよ。
- 若 で、記者会見始まるまでヒマで、待ち時間がテントであって、振ってみたんですよね。「そのディスクってなんのディスクなの？」って俺が振ったら、春日さんが「これはですね、サンドイッチマンの単独ライブのDVD」って（笑）それがおかしくて。これ春日に「記者会見で行くか？」っつって（笑）。
- 春 ははははは！
- 若 俺の顔にすごいディスクをつけてくるから、「これ何のディスクなんだよさっきから」って俺が振ったら、「サンドイッチマンさんの単独DVD」って、１回放り投げるかって言って、行きましょうみたいな感じになったんだけど。
- 春 参ろうと。
- 若 怖くて振れなかったわ（笑）。
- 春 全然こないもんだからさ、
- 若 あははははははは！
- 春 写真撮る時ずーっと顔に押しつけてたんだけど。ぐーっ！つって（笑）。
- 若 「大喜利できるねー」なんつってね、盛り上がっちゃって。「それだな、正解な」なんつって。ね。
- 春 あー。ありましたな。
若林が春日のことを「面白い」と言った回数：15回
……うっかり若林のホメホメ光線に気を取られがちですが、見せたかったのは春日の客観性なの！若林は当然だとしても、春日自身も「春日をどこに置いたら面白いか」で盛り上がってる。完全にこれ中の人と着ぐるみの関係性だよね。すごい。どうしてこんなにものすごい怪獣みたいのが今まで日の目を見てこなかったんだろう。お友達が「春日が30になるのを世間は待っていたのよ！」って言っていてすごく腑に落ちたんだけど、確かにこの貫禄は20代じゃ出せないよ。樽の中でゆっくりじっくり熟成されて、男盛りになってきた今ようやくこの地上に降臨したっつうわけですよね！（ピヨ丸さんキモい）（あと若林のダダ漏れもキモい）
春日のすごさについてはここまで！あとはおまけとして若林のうっかりがこぼれちゃったところを書き起こします。最近、としちゃんだの俊彰だのポロリが多すぎますよ☆（げんなり
としちゃん呼びに関して春日がビタ一文笑ってないところがポイントです。もう勝手にして！
