はてなごはんだし


3月8日はから揚げ記念日。
生まれて初めて揚げ物をしたよ。揚げ物こわい。油こわい。ずっとそうやって生きてきた。だけどリクエストがあったから探り探りでがんばった。油はねてもがんばった。衣を油に落としたらすぐ浮き上がってきて、今だ!って鶏肉投入した。きつね色になったからよおし!いい感じ!ってお皿に取って、食卓に並べた。茄子を片栗粉つけて焼いたのにおろしにんにくとポン酢をかけるやつと、ほうれん草とツナの和え物を一緒に置いたら、なんかちょっと豪勢な感じになった。朝作ったお味噌汁も温めた。実はわたしこの家に来てから初めて味噌汁を作ったのだ。案外簡単でびっくりした。
いただきまあすとから揚げを食べたら、中が赤かった。どろっとした衣が出てきた。
なんかわたしいきなりテンションがダダ落ちしてしまって、油の入ったままのフライパンに黙って火をつけた。やっぱり揚げ物きらいだよ。いつ火が通ったのかわかんないんだもん。もう1回揚げ直す、と暗い声でつぶやいて、買ってきてもらったサラダ油をさらに足した。連れは触らぬ神に祟りなしとばかりに、うだうだしているわたしに何も言わずに黙っていてくれた。それも優しさだと思う。
日が悪かったのだ。今日は1日中在宅仕事をしていた。かなり消耗する仕事で、気合い入れて4時間くらいで終わらせたから疲労困憊してしまって、ほんとうはご飯だって作りたくなかった。そこに揚げ物というストレスが加わって、なんかわたしいっぱいいっぱいになってしまった。なら他の献立にすりゃあいいのにさ。融通が利かないのがわたしの悪いところだ。
わたしはささっと料理というのがまるでできない。だからいつも料理を作るとき大変な気合いが必要になる。ほとんど毎日料理をするようになって、なおさらわたしの緊張は重なっている。メニューを考えるという作業自体が一仕事なのだ。
30すぎの女がこんなこと言うの頭おかしいとは思う。作り始めたらがんばれるから、別に料理はさして嫌いではない。ただ、毎日の献立決めとそれに準ずる作業のことを考えると途方に暮れてしまう。わたしは料理に人一倍時間がかかるから、仕事から帰ってきてご飯作って後片付けしてってなると、軽く2時間はロスタイムができてしまうのだ。
これをロスタイムと呼んでしまうこと自体が問題なんだと思うけど、しょうがない。申し訳ないけど、そう思ってしまうんだからしょうがない。でもだからってどうにかなるもんでもないから、もっと手際がよくなるしかない。全部わたしの問題なのだから。
今度から疲れてるときは簡単な料理にしよう。そのくらい甘えても許されるだろう。自分の苦手なことから逃げ続ける人生は終わりにしなければ。