田辺くん二本

「熊沢パンキーズ」以来、田辺誠一がアツイ。

長いのでたたみます。

まずは昨日見てきたイン・ザ・プール。ぶっちゃけ、期待負けでした。もうしわけない。誰に謝っているのか。というより同じ列にいた人が何がおかしいのかやたらけらけら笑っていて、しかも見ながら「ヤバい」だの「ウケる」だのと非常に楽しそうに発言。今そういうの、はやってるんでしょうか。それとも気にしすぎるわたしがキチ入ってるんでしょうか。おしえて、エロい人!
……話がそれました。まあそういう外的要因もあいまって映画に集中できなかったんですが、まあそれだけの理由ではないかなという気持ちもいたします。三木さんという監督のことはよく知らないので知った口きける身分ではないのですが、映画のそこここに散りばめられた小ネタを見ていて、「ああ、こういうことがやりたいんだな、そしてそれも非常に理解できるんだな。できるんだけど、わたしにはフィットしないんだな」という分析めいたことばかりが頭をよぎってしまって、なんだか居心地が悪いままエンドロールを迎えたのでした。それに、松尾ちゃんのひょうきんさが痛々しさを醸し出していたような気がするのはわたしの被害妄想でしょうか。ただ、みなさんおっしゃるようにオダギリさんは天下一品のかわゆさだったと思います。個人的にはあいかわらず個性をギラつかせていたガンツさんににやにやいたしました。
そんで本題の田辺氏ですが、やっぱり彼はいい仕事をしてらっしゃいました。トンカチ持ってプール襲撃に向かう田辺氏なんて、ほんとうに自分の与えられた役割をよくわかってらっしゃる。飛び込み台の上でのラストなんかもう、しびれるかと思いました。

二本目はまだ公開されてない「せかいのおわり」。「火星のカノン」を撮った風間志織監督、中村麻美、渋川清彦(メンノンで浴衣着てたね)、長塚圭史主演の作品。去年のぴあのPFFアワード招待作品になっていて、それを見た友達から「すごいよかった!見て!」と強力プッシュをもらってたし、役者の長塚がかなりすきなのでなんとか仕事をやりくりして見てきました。
主人公はわがままでだらだらしゃべるし、「なんなのこの子!」って感情移入しにくかったんだけど、不意に、きた。どうやってもうまくいかない恋と、せかいのおわり。不安の波間でゆらゆらゆれて、それでもみんな一生懸命生きてるんだ。そんなことを漠然と思った映画でした。あとね、評判に違わず長塚がちょうよかった。前髪のあたりは残念な感じだったけど(言うな!)、女の子の気持ちもわかるし男らしくもあるバイセクシャルっていう役がすごくハマってて。個人的にツボに入ったのは「無表情で霧吹きをかける」「出てったはる子を見送りながら慎之介を蹴る」「暴れる慎之介を冷静に鎮圧」の3シーンでした!隊長!ほれてもよかですか!
あとはやっぱり田辺誠一。はるちゃんが恋に落ちる相手なんだけど、怯え系サラリーマンという出オチもばっちり、やさしくて包容力があって理想な感じの恋人で(カーテンにくるまるシーンよかったなあ)、でもオチもちゃんとついてて…ていう、監督も使いどころをわきまえてるよな!と大満足の役どころでした。ほれてしまいそう(気が多い)。
それから、高木ブーがすんごくいい味出してた。「ヒロムちゃん」て役名もすごく似合ってたし。ちなみに人のいい美容室店長役で小日向さんも出てますよ。

期せずして田辺誠一つながりの二本でしたが、わたしごのみの田辺氏なのはやっぱり「せかいのおわり」かな。あと、彼を見ると自然と「住さんの友達だ」*1という意識が先に働いて住さんの顔を思い出すようになってしまいました。どうにかして。