ハタチの感電ちゃん

れにちゃんがハタチになりました。
びっくりだよ。ハタチって。20歳のことだよ。祝成人だよ。風呂あがりにビールぷはーってできる大人だよ。
なんだか勝手に、ももクロちゃんはずっと大人にならないと思っていました。永遠の10代だと思っていました。でも現実はサザエさんドラえもんではないので、アイドルといえど確実に歳をとっていきます。れにちゃんがもうハタチということは、自分もそれだけ歳をとったということなのです。こわい。子どもの成長で自分の加齢を知る切ない現象がここのところ頻繁に起こります。なぜわたしの好きなアイドルちゃんは6月生まれが多いのだ!!
ももクロに興味を持ち始めた頃、ほんとうに申し訳ないけれど、わたしはれにちゃんの魅力がよくわかりませんでした。なんか、踊りが全力すぎてこわい。骨がバラバラになりそう。細すぎてあんまり魅力的じゃないなあ……。正直あんまり美人とも思えず、ただのメンバーのひとりとしか見ていませんでした。
ミライボウル発売イベントで初めてももクロを生で観、まだ年端もいかない子どもと握手するために並ぶ自分をなかば自嘲していたわたし。初めての女の子アイドルとの接触に、どういう気持ちで臨めばいいのか若干戸惑っていました。
あの頃はまだしおりんがツインテールでものすごく幼くて、申し訳ないけどアウトオブ眼中だったなあ。ミライボウルPVのアニーヘアで魂を射抜かれてももか推しになっていたので、わたしはすべての意識をももかに向けていました。あかりちゃんは花粉症がひどくためにサングラスとマスクをしていて、ほんとうに本人と握手しているのかわからないような状態で、わたし「花粉症大丈夫?」あかり「大丈夫じゃないですつらいですー」というような会話を交わしたことを覚えています。まだ全員と一言ずつ交わせる余裕があった頃で、話すことが特に見つからない子には「今日初めて来ました、すごく楽しかったですまた絶対来ます」的な定型文を話しかけ、みんな「ほんとですか!?ありがとうございます」という可愛らしい反応をしてくれたんだけど、まったく意識してなかったれにちゃんの対応にものすごく胸キュンしてしまったのです。
特別なことを言われたわけではないんです。少し首をかしげてあの満面の笑顔で「ありがとうございます!また絶対来てくださいね」と言われただけなのだけど、その雰囲気がまるで旅館の若女将のようで。
また、帰ってきたいと思いました。
アイドルに帰ってくるっていったいどういうことなんでしょう。でも、そう思ってしまったのです。またれにちゃんの笑顔を見に、絶対戻ってこようって。
あの子の笑顔には魔力にも似た魅力を感じます。他のメンバーももちろんそうだけど、れにちゃんの笑顔にはほんとうに心から楽しくて仕方ないんだよ!というはちきれんばかりの感情が凝縮されているような気がするのです。「笑顔がいちばん、れにちゃん!」ってコールを考えた人は天才だと思います。さもありなんだよ!
握手列の最後はあーりんで、「また来ますね!」と言ったわたしの手を心細そうに離すので、わたしも後ろ髪ひかれる思いで離れていくカップルみたいにふたりで手を伸ばし合うというパンチの効いたことをしてしまったため、あーりんマジックにすっかりメロメロになってしまったのだけど、その日のれにちゃんの印象は今も色褪せないままなのです。
初めての女祭りで、体調の悪かったももかを事あるごとに気遣うれにちゃん。他のメンバーも気にしていたけどどう対処していいかわからなかった中、れにちゃんだけはあくまでもさり気なく、ももかをずっと気遣っていました。わたしはそんなれにちゃんの優しさが愛おしくて、別にももかの親でもないのに「ありがとうれにちゃん!!」と涙目になっていました。
こないだのももクロFCライブのとき、メンバーが会場のあちこちに散ってお立ちの台の上で歌う場面があったんだけど、そのときわたしのいた席からはいちばんれにちゃんが近くてずっとれにちゃんを見上げてたら、なんだか涙が止まらなくなっちゃって困りました。ちょうど未来へススメ!→オレンジノート→コノウタという涙腺おかしくなる流れだったっていうのもあるんだけど、くしゃくしゃの笑顔で歌い踊り手を振るれにちゃんにいろんなことを思い出してしまって、ああ、わたしなんだかんだ言っても、やっぱりももクロちゃんが大好きなんだなあってしみじみと思いました。もう簡単には会えなくなっちゃったけど、しゃべりもリアクションもずいぶん上達しちゃったけど、彼女たちはちっとも変わってないんだ。トロッコの上で歌うとき、れにちゃんはどうしてもテンポが速くなりがちで、その肩を両脇から叩いてリズムを取って教えてあげるしおりんとももか。ちょっとおっちょこちょいなところも大好きですれにちゃん。そのトロッコは可愛い爆弾が炸裂しまくっていたので、付近の客の安否が非常に気遣われました。
なんだかあまちゃんとれにちゃんが、ちょっぴり重なります。人の喜ぶ笑顔を見るとうれしいから、いくらでも笑顔でがんばれる。でも本人は「人のために!」という意識はそんなにないというところがたまりません。そして変なこと言っても変なこと言ってるという自覚がない!素晴らしきかな天然記念アイドル!れにちゃんに年齢の概念などありません、いくつになってもれにちゃんなれにちゃんでいてください!!しおりんの誕生日にはなにもしなかった黄色不孝でごめんチャイマックス☆