少女に何が起こったか

どうでしょう祭り2013、開催!!
8年ぶりの祭りの発表に、どうバカであるわたしは鼻息を荒くして発売日を今か今かと待ち構えていたものだった。
2週間前までは。
あろうことか、気がついたら発売日を1日過ぎていた。わたしが狙っていたのは飛行機・ホテル・チケット付きのツアーで、8年前の同ツアーの争奪戦は熾烈を極めたものだった。予約画面をリロードしまくりながらようやく予約に成功し、再びリロードしたらもう売り切れていたという危機一髪の状況だったのである。
8年前でああだったのだから、YOさんがモアビッグになってしまった今、当然売り切れているだろうとがっかりする自分を確認するためにJTBのサイトを開いた。そしたら、まだ「お申し込みはこちら」のリンクが生きているではないか。
これはいったいどういうことなのだろう。
そしてその事実よりも、自分自身のリアクションにわたしは驚くことになる。
2週間前のテンションのわたしだったら、ラッキー!まだ売り切れてないじゃん!ポチッとな!!と勢いに任せて予約ボタンを押しているはずなのだが、なぜかバックボタンで戻ってしまったのだ。
えっ
なんで戻った
わからない。わからないのだ。あんなに息巻いていたのに、わたしは戻るばかりかそっとウィンドウを閉じてしまった。予約ボタンを押せなかった自分の気持ちに向き合うことを恐れ、何も見なかったことにしてしまった。
どうでしょうは今でもめちゃくちゃ好きだ。つらいときに何度も励まされた番組だし、8年前の祭りもそれはそれは楽しかった。バカばっかりしかいない空間で、YOさんのおかげで突然の雨に見舞われながらも、気が狂うくらい楽しいひとときを過ごすことができた。
でもわたしは今回、脊髄反射的にボタンを押すことができなかった。あんなに楽しみにしていたのに。
わからない。わからないけれど、一度躊躇してしまった今、あのボタンを押してはいけないのだとわたしは心のどこかで気づいている。それは、さまざまなものを好きになってきたわたしの、本能に近い直感である。
何かをもう、そこまで好きでないという自分に気づいたとき、胸にちくりと痛みが走る。趣味が多すぎて煩悩を減らすためならお金を払ってもいいと日頃から繰り返しているわたしだけれど、やっぱりいざ何かを手放したときには寂しさが残る。と同時に、少し肩の荷が下りたような気分になる。
わたしは自分の人生を好きなもので埋めることが生きがいだと思っていた。1週間すべてを好きなもので埋めて、ああ忙しいとひとり悦に入ることが何よりの楽しみだった。しかし最近は、予定の入っていない日がなんとも愛しいのだ。おうちでゆっくりできる。好きなようにご飯が食べられる。ここんとこ暑いから、帰ってきたらすぐお風呂に入ってそれからゆっくりしよう……。
わたしはいったいどうしてしまったのだろう。
娯楽への異常なまでの依存度が、少しましになってきている。いまだに月に5,6本は娯楽の予定を入れているけれど、前まではちょっとでも興味があるととっととスケジュールを埋めるような頭のおかしな女だった。しかしこのごろは、ライブやお芝居もさることながら、深夜番組や深夜ラジオともだいぶご無沙汰した生活を送っている。なぜなら1時になると眠くなってしまうからだ。もう、深夜と呼ばれる時間に起きていられないのだ。
若いころに遊びすぎたツケが一気に来ている気がする。おまえもういい加減休めよ。その時は見に行けばよかったと思うかもしれないけど、見なきゃ見ないでなんとかなるだろ。そのうち忘れちゃうだろ。お金の節約になっていいじゃないか。もうおまえ、いい年なんだからさ。
うん、そうだねマインドB。ようやくきみの言葉を素直に聞けるようになった気がするよ。今まで聞こえないふりしててごめんね。
とはいえ、いちばん厄介なお荷物がまだわたしの肩の上には乗っかっている。蛇ニイズと決別するときこそが、わたしの娯楽道の終着点なのではないだろうか。……と思いつつも、これだってきっといつか、ふと手放してしまう瞬間が来るに違いない。見なくてももう大丈夫になる時が来てしまうに違いない。オタ卒したいと言いながら、わたしはその瞬間が怖くて仕方ないのだ。あんなに好きだったものから手を離してしまえるなんて!怖い!自分の心変わりが怖い!!
はあ。ほんとにめんどくさい生き物ですね。何をするにも何かを思わざるをえない業のかたまり、ぴよまるこだよ!仲良くしてね!!!