あったかいラジオ

深夜、ラジオをつけると芸人さんがしゃべっている。あんな番組やこんな番組の裏側を、実はあのときこうだったんだよって内緒話みたいに教えてくれる。ゴールデンで何本もレギュラー番組を持って、帯番組の司会もしてるような華々しい世界に生きる人たちが、どうでもいい些細なことでバカ笑いして悪ふざけをしてる。みんなリラックスしてとっても楽しそう。テレビもラジオも大きく括ってしまえば同じような媒体*1なのに、なぜかラジオはすぐ近くで、わたしだけに話してくれてるような錯覚を起こしてしまう。みんな寝静まった深夜、自分みたいにこうしてひとり、同じラジオを聴いて笑ってる人が他にもたくさんいるんだと思うとなぜか心強くなる。今、ラジオのこっち側も向こう側もこうして同じ時間を過ごしているんだと思うとますますラジオに愛着が湧いてしまう。だから、収録のラジオ番組はあんまり好きじゃない。今を共有できること、それがラジオのいちばん素晴らしいところだと思っているから。
ラジオを聴いててよかったと思う瞬間は今までいっぱいあったけれど、ここ最近、そう感じることがとても多い。
まずはおぎやはぎのめがねびいきで、小木さんの義理の弟である森山直太朗(番組での愛称:さくら野郎)が出演したときのこと。同じくゲストで今をときめくスギちゃんが出ていて、特に面識もないのにスギちゃんへ贈る歌をさくら野郎が作ってきた(というか作らされた)のだけど、それがどうにもこうにも素晴らしすぎた。スギちゃんが感激して号泣しちゃうくだりまで入っているので、スギちゃんを知っている人はぜひ聴いていただきたい。知らない人はいいです。

スギちゃんの歌/森山直太朗

  • スギちゃん この頃ふと思う
  • ワイルドだぜのひとことで
  • 僕の人生変わったけれど
  • スギちゃん この頃ふと思う
  • スポットライトの裏側に
  • 何があるというのだろう
  • スポットライトを浴び続け
  • 何が僕にできるだろう?
  • やっと掴んだチャンスだけれど
  • 改名したのも最近だけど
  • こんな思いをするならば
  • 掴まなければよかったかもと
  • 涙でつぶやく ワイルドだぜと
  • テレビと違う ワイルドだぜ
  • 誰も見てない ワイルドだぜと
  • 舞台じゃ見せない ワイルドだぜ
  • ああ だけど戻れない
  • 戻りたくない あの日々に
  • 逃げたい思いを押し隠し
  • どうせやるなら 最後まで
  • 消えたところで 死にやしねえと
  • 俺はもとから ワイルドだぜ
  • 涙でつぶやく ワイルドだぜと
  • やけくそ混じりの ワイルドだぜ
  • お盛んだぜ

最後の「お盛んだぜ」は、その直前までスギちゃんが下ネタトークをぶっこんでたのでその余波です。スギちゃん泣いてたでしょう。それにもらい泣き寸前のおぎやはぎの興奮冷めやらない口調もいいんだよなあ。芸人だったら、そして芸人を愛するすべての人だったら、どうしたって涙目になっちゃうよね。さくら野郎は昔からお笑いが好きで、芸人との交流(ていうか義理の兄が芸人)が多いからこそ作れた歌だと思うんだ。ちなみにこのときノドの調子が悪くて歌の出来に満足できなかったさくら野郎、後日録り直してスギちゃんにあげたそうですよ。イイハナシダナー!!!
でももっといい話なのは、ほんとは「ワイルドだぜ」じゃなくて「ワイルドだろ〜」だってことです。がんばれスギちゃん。
そして昨日のバナナマンバナナムーンGOLD。そろそろ日村さん40歳バースデーということで、バナナマンライブのOP曲を担当している星野源ちゃんが今年も登場。実は3年連続日村さんのバースデーソングを披露しているんだけど、だんだん日村さんを貶める内容になっていくのが気に入らず日村さんご立腹、こんな曲いらねえよ!謝れよ!→もめる→設楽さんがライブの曲作ってもらえなくなるから日村さん謝ってくんねえかなと命令→日村さん土下座というコントが恒例になっていて。茶番はさておきほんとに愛にあふれている内容で、今年は特にぐっときてわたし泣いてしまいました。源ちゃんの声はずるいよ、言葉に魔法をかけてしまうから。

日村さん40歳バースデーの歌/星野源

  • つらいことがあったときや
  • かなしいときはまわりが見えないな
  • 笑いたいが 悔しい涙
  • 泣いたままでも顔を上げてよ
  • 一緒に日村見ようよ
  • 18歳から22年間 40歳のこれからも
  • 疲れた僕らに笑顔を与えて
  • 忘れさせて日村 笑わせてよ日村
  • 日村がいないと 日本はさびしいまま
  • ただ僕らがほんとにつらいとき
  • 日村がどんなに頑張っても笑えない 逆にいらいらするんだ
  • 図に乗らないで日村 図に乗らないでババア
  • 誰でも笑顔にできると思わないで
  • もう40だぞ日村 気の毒だよねババア
  • それでもババアがいないと
  • 日村がそれでもいないと 設楽はさびしいまま
  • おめでとう 日村勇紀

いい歌でしょう…!この後やっぱり日村さんによる「なんだよこの歌謝れよ」コントが始まるんだけど、いちゃもんつけまくる日村さんに源ちゃん「日村がいないとそれでも設楽はさびしいままって、これ設楽さんの気持ちを想像して書いた歌なんですよ。これにいらいらするってことは設楽さんにいらいらするってことですよ」日村「え?わかんねえよ!難しいよ!!」日村さんは混乱してたけど、設楽さん目線で書かれた歌だって思ってもう一度聴くとぐっときまくるんだぜ!ちょっと源ちゃんなに一粒で二度おいしい歌作っちゃってんの!天才なんじゃないの!?(天才です
ちなみに日村さんがバナナマンライブで使ったSAKEROCKの「会社員」というインストナンバーに歌詞をつけて歌った源ちゃんバースデーソングも大変に秀逸なのでご紹介したい!日村さんの尋常じゃないリズム感が堪能できるよ…!この人決して歌がうまいわけじゃないのにリズム感と表現力がずば抜けてるからすごく楽しく聴けちゃうんだよなあ。日村さんてばお笑いの神様に愛されすぎ!!

こんなものテレビじゃ聴けないでしょう。設楽さんも帯の主婦向け情報番組の司会やってるとは思えないほどラジオじゃのびのびと「ファッ○!」って連呼してるよ!ラジオさいこう!

*1:雑でごめんなさい