トリセツくれろ

私は子供が嫌いです。
というのは伊武雅刀子供達を責めないで」の冒頭部分ですが、わたしも嫌いとは言わないまでも、苦手でした。や、別に克服できてないです。今も苦手です。まずひとりっこでわたしより年下の親戚がいません。ふたりだけいる従兄弟も年が10以上離れています。大人ばかりの中でやけに一人遊びが上手な物静かな子どもでした。手がかからないので、みんなから放っておかれました。そんなわたしに、子どもとの接触経験など無に等しいのです。
友人に子どもが生まれ始めます。見に来てと請われるまま行くも、どう接していいのかわかりません。「〜でちゅね」とは口が裂けても言えず、どこをどう褒めていいのかわからないので指先でほっぺたやら頭やらを触って「ぷにぷにしているのう。ちいさいのう」などと見たまんまの感想を言うことしかできません。もう適齢期も過ぎているのに、家族が増えるということがどういうことなのか、わたしには想像もつかないのです。
まだ言葉のしゃべれない赤ん坊ならいいのですが、自我を持ち始めた子どもとの接触はさらに難しいのです。何をしゃべったらいいのかわからない。「すごいでしょー!」と何かよくわからないものを見せてきて自慢するけど何がすごいのかわからない。さっそくわたしの挙動不審タイムが始まります。子どもは察しがいいのですぐにわたしから離れていき、母親にべたべたとつきまといます。もう、あんまりおじゃまするのはやめよう…と心が折れて帰宅というバッドエンディングに突き進むほか術はありません。
だから、久しぶりに再会した小学校時代の同級生の娘(小1)と息子(小2)の存在は驚異としかいいようがないのです。なんかわからないけど!わたしに!なついてくれている気がする!
母親もジャニオタ気質のある人なので、渡りに船とばかりにわたくしごひいきのA.B.C-ZのデビューDVDを押し付けに行きました。そしたらその場でわーい見たいということになり、子どものいる前で再生を始めたのです。いいよいいよと恐縮するも母親は子どもにエービーシーズィーって言うんだよーと教え、子どもも素直に画面を食い入るように見つめ始めました。しばらくリピートしてほったらかしていたのですが、ふと訪れた静寂にふふふーという聞き覚えのあるメロディの鼻歌が。ん?ん?息子が!砂のグラス(収録曲です)をハミングしている!すごい!うれしい!今聞いたばかりですぐ歌うとか天才か!
数日後また彼女の家を訪れたら、エレベーターの前に兄妹が立っている!「さっき窓からピヨ丸ちゃんが見えたからもう来ると思って!」なんだなんだなんでそんなにリップサービスしてくれるんだ…!「ずっとDVD見てます、砂のグラスが好きで」ぬおおおほんとうに兄はわたしが押し付けた1980円のDVDを夜な夜な観ているらしく、毎晩踊りを真似たりピアノで冒頭部分を弾けるようになったりとなんだかすごいことに!嵐好きのクラスメイトや担任の先生にまでA.B.C-Zの宣伝をしてくれたらしく、逆にわたくし恐縮しきりでございます。ふたりとも人見知りとは無縁の子どもたちなので、わたしがわりと対等に話しかけてもちゃんと返してくれるし、「子ども…!早く寝ろ…!」って全然ならないという奇跡。すごい。こないだ道端で親子に会ったので思わず「またおいしいもの持って行くからねえ〜」というヘンタイ的な猫なで声を出してしまいました。ちなみに好みを聞いたら兄は橋本、顔なら松潤ファンの濃い顔好きな妹は黙って馬面の人を指さしていました。ありがとうそのお兄さんは松潤になりたくて仕方ない人なんだよ!きっと喜ぶよ!
なんだか別館風味の話題になっちゃってすいませんなのだ☆(反省ゼロ
……これ別にわたしが子どもを克服できたわけでもなんでもなく、ただ単に子ども側の歩み寄り度がハンパないおかげだと思うんですけど、なつかれるのはやっぱりうれしいなーというお話でした。よく「自分に子どもができたら変わるよ」と言われますが、そのたられば論はモアイ像を動かすより難しい話なので軽々しく口にしないでもらいたいですね(にこにこ