きっと何者にもなれないおまえたちに告げる

金曜の深夜、なんとなく流し見していたテレビの中から凛とした声でそう呼びかけられて、はっとした。
呼びかけられたのはもちろんわたしではなく10代とおぼしき少年がふたり。呼びかけたのはペンギンの帽子をかぶった少女。足元にはペンギン。ペンギン……?
生存戦略、しましょうか」
そう言うと少女は一瞬にして裸になり、その姿はシルエットになって少年の胸から何かを掴み出す。画面が真っ赤に染まって、別のシーンへ。
なんじゃこりゃあ
いや、もっとなんじゃこりゃあなシーンはその直前にあるのだった。何のきっかけかわからないが、そのペンギン帽をかぶった少女が「生存戦略ーーー!」と叫ぶと女性ボーカルの音楽(あとから知ったがARBのカバー曲)がかかって変身シーンというか惑星的で機械的なものがぶつかるシーン?というかもうとにかくなんか派手でよくわからないシーンが挟まって、少女がきっと何者にもなれないおまえたちに告げるのだ。
彼らは若い。だから断言するのではなく、「きっと」という言葉をつけてそれ以外の可能性も若干ではあるが示している。それがうらやましかった。わたしはもう「何者にもなれなかったおまえたち」のひとりなのだ。そしてその言葉にはっとしたわたしは「何者かになりたかった」のだと改めて気づかされて、その未練がましさに深夜の部屋でひとりひざをついたのだった。
……ってそんなことどうでもいい!このアニメ狂ってる!まず「輪るピングドラム」ってなんて読むのかわかんない。「まわる」らしい。当て字にもほどがある!そんでピングドラムがなんなのか全然謎が明かされない!きっと何者にもなれない少年2人(兄弟)は妹の余命を延ばすためにペンギン帽に命令されてピングドラムというものを探さないといけないんだけど、それがなんなのかわかんないまま探し始めるっていう。探すほうも視聴者もわかんない。わかるのは兄弟のお手伝いをするペンギンが出てくるんだけどそれがただひたすらかわいいっていう、ただそれだけ。でもそのピングドラムを持ってるっぽい林檎ちゃんって女の子がストーカーしてたり行動がアレだったり、兄のほうが妹に恋愛感情的なものを抱いてるとか、なんかちょっと変。だって公式HPに載ってるキャッチコピーが「僕の愛も、君の罰も、すべて分け合うんだ」って意味深……!あとなぜか登場人物が丸ノ内線をやたら使っている。ちょっとした演出が細田守っぽくてうわっ!ってなる。今んとこ内容に関してはほとんど意味不明だけどおもしろい!
オープニングはやくしまるえつこでエンディングはcoaltar of the deepers生存戦略ARBのカバーだなんて狂ってる!推せる!金曜深夜はレッツ生存戦略ターイム!!otk生活が戻ってきたわたしの生存戦略はたぶん大失敗ーー!
http://penguindrum.jp/