ゲイジツはバクハツだ

もう中学生×永野「俺たちの時代」@浅草花月
ゲスト:カリカ家城、POISON GIRL BAND吉田、犬の心押見

初めての雷5656会館で衝撃的すぎる体験をしたあと、お願いランキングの帰れま5でナイツが挑戦したときに1位だった洋食屋「モンブラン」で空腹を満たしました。

黄色いのはチーズまみれのハンバーグ。そしてカットステーキ。そりゃうまいよね。
有名店だけあっていろんな人のサインが貼ってありました。「裸の少年で紹介されました」のPOPが貼ってあって岸朝子ちゃんのサインはあったんだけどジュニアっこのはなくて、検索かけたら弁慶三郎コンビの回だったのね…ってそんなotk話はどうでもよくて、今をときめくむかいりのあの豪快なサインもあったんですよ。ドラマ「おせん」で使われたんだって!そんでむかいりがおせんに出てたんだって!観てたのにちっとも記憶にないよ!むかいりのサインにはちゃんと「一升庵 竹田留吉」って役名まで書き添えてあって、何よりほっとしたのは「モンブラン様へ」の「へ」がちょんちょんつき「へ」だったことですよ!出た!昭和のアイドルサイン!今いちばんニットブックを出してほしい若手俳優、それがむかいり!!なおさら好きになっちまうよねえ。まいったね今夜。
とまあそんなことはどうでもよくて、肝心のライブの話。「レポ書く人とかいると思うけど、どうやって書くんだろうね」って家城さんが言ってたように、インプットしたものをアウトプットする術が見当たらない。そもそもちゃんとインプットできたのか。わたしはあれをどうやって受け止めたのか。いやだ自分と向き合わされてる、もしかしたらそんな哲学的なライブだったの…?混乱する!!
読んでもなんのことやらちっともわからないと思いますが、あのカオスな一夜の断片を書き留めておきたいと思います。
【構成】オープニングトーク→ネタ→ふたりが次のネタ準備してる間にゲストの3人が出てきて感想を述べる→ネタ→ゲスト感想コーナー→(繰り返し)→エンディング全員登場/ネタのつなぎの音楽は全部長渕剛の「しあわせになろうよ」
まず、ネタ中も客電があんまり落ちなくてすごく演芸場っぽい。みんなと一緒に観てる感がすごい。これって演出なのかな。最初はすごくそれが不安だったけど、だんだん慣れて面白くなってきた。確かに客電を完全に落としちゃうと芸があまりにもぶっ飛んでるからステージ上と客席の間に溝ができちゃう恐れがあるもんなってなんでこんなことマジメに考えてんだ。最初オープニングトークでふたりが出てきて、ふたりでやり始めた馴れ初めみたいのをしゃべるんだけど話があっちこっち行き過ぎて全然頭に入ってこない。とにかくライブで一緒になって永野さんのネタを観たもう中が一緒にやりたい!ってなったらしい。たぶん。出会いは結構古くて8年前とか。

【ネタ】
「ウナクールポコ」
餅つきセットを持ってきてウナクールに関するちょっとした不満をクールポコスタイルで言い合う。「ウナクールのCMは青を基調としてて不安をあおるから黄色にしたほうがいいと思うなあ」「なぁーにぃー?」みたいなよくわからない展開。ネタが終わってから譜面台に乗ってたネタのタイトルをめくるふたり。

【感想】お通夜みたいなテンションで出てくる3人。押見「僕もう一刻も早く帰りたいです」家城「僕今日休みだったんですけど急に呼ばれて。お金もらってるからにはまあやりますけど。舞台監督さんが一生懸命タイトルをめくれって指示してるんだけど、なんでかあの人たち無視するんですよ」

【ネタ】
「おもいっきりテレビ2観覧」
おもいっきりテレビの第2弾を観覧に来たふたり。スカジャン着てる永野にもう中「その服いいねえ〜」永野「ADブギを意識したよ!」あとはもう中が持ってきた袋の中からボタン押すとマジカルバナナの音が流れてくるおもちゃを出していきなりマジカルバナナを始める。全然連想ゲームになってないマジカルバナナ。もう中「さっき芸能人とすれ違ったよ!ウルトラリラックス〜の人」永野「篠原ともえ!」もう中が急に視聴者からのお悩みテレホンを受け付けて永野演じるおばちゃんの「スタ丼って最初はおいしくて楽しいのにだんだんもたれてきてつらいのよ」という悩みに「おなかテトリスをするといいですよ!」電話が終わると中山ヒデがきれいな格好をしたナベプロのタレントを引き連れて登場し(それは空想でまかなう)「キミは素質があるから番組で使わせてもらうよ」ともう中をスカウトする。意味がわからない。

【感想】家城「昨日NHKでやってた岡本太郎のドラマを観たときと同じ感情を覚えましたね。どうやって受け止めたらいいのかっていう」吉田「観覧に来てるっていうのに遊び始めるからスタッフ早くつまみ出せよ!って思ってました」家城「おなかテトリスってなんですかね」押見「マジカルバナナがいちばん盛り上がりましたね」家城「どこまでが台本なのか教えてほしいですよ」

【ネタ】
「漫才」
出囃子はaikoのカブトムシ。「僕たちもう結婚について考える年じゃないですか。夫婦生活ができるかどうかやってみましょう」まともなネタ振りで漫才が始まるが、まあ脱線しまくってなかなか話が進まないよね。途中で♪ディンガディンドンディンガディンドンドンとうろ覚えで歌いながら激しく踊る永野。そして「連れ子には優しくしたい」という名言が連発される。しかし「こんなんじゃ夫婦生活できないよ」「さっきやったじゃない!ご飯をふーふーって」「やってられるかー」とちゃんとしたオチがあって騒然となる場内。

【感想】家城「びっくりしましたねー。ちゃんとオチがありましたね!」押見「永野さんが裏でもう中に『俺不安だからちゃんとリードしてね!』ってすごい言ってるんですよ。逆だと思うんですけどね」家城「このふたりの世界ってお笑いじゃなくてジャンルで言ったらダンスですよね」押見「さっきからBGMが全部おかしいんですよ」

【ネタ】
ユニコーンが流れる整備工場」
もう中のダンボールアートによる電車を、ヘルメットをかぶって作業着を着たふたりが無言で点検をしている。BGMはユニコーンのMayby Blue。それがひたすら流れ続けるだけ。ふたりは無言で別に面白いポーズもせず淡々と点検を続ける。ただそれだけなのにそれがなぜかとにかく面白い。やがて暗転。

【感想】家城「ユニコーンの曲ってこんなに面白かったでしたっけ?」押見「Maybe Blueっていう選曲がまたね」

【ネタ】
「ラップ」
「出会った8年前にお互いの思うところを歌詞にしたんだけど、曲が作れなくて。誰も知らないと思うけど、エミネムっていうラッパーがいるんですよ。そのCDをブックオフで買ったらカラオケがついてて」8年前の歌詞だからタイトルが「ファックブッシュ」。永野がやたらブッシュをdisるのに対して、もう中はなぜかミニモニについて熱心にラップ。途中で何かっていうと「ダンスフロアーにー華やかなひーかりー」ってちょくちょくブギーバックが挟まる。もう中「なくなくない?なくなくない!なくなくなくなくなくなくなーい!」どうやって終わったかちっとも覚えてないが腹がよじれて苦しかった。

【感想】興奮気味な3人。押見「俺初めて爆笑しましたよ!」家城「すぐスチャダラパーに頼りたがる」押見「次が最後のネタですけど、なんかもっとみたくなっちゃったよね」

【ネタ】
ダウンタウンさん、これが俺たちの答えです」
永野「ダウンタウンさんに憧れを持つ者としてお笑いでトランス状態を作れないかと。好きなほうのネタを見るっていうフェスみたいな感じにしたいと思ったんです。フェス行ったことないけど」準備があるからとはけるもう中、しばらくして合唱団の描かれたダンボールとともに2階に登場。はてなマークのあふれる客席に、ふたりで別々のネタを同時にやったらわけわからなくてトランス状態になれるんじゃないか、フェスみたいに好きなほうのネタを見てもらってと説明する永野。くるってる!!でもなんかすごく前衛的。カラダひねらないともう中のネタが観れない、観たい、でも永野さんに悪いかしら。もちろん演者も客の反応がダイレクトにわかりやすくてこわいと思うけど、こっちだってちょっと気を遣うところがなきにしもあらず。後ろではもう中が合唱ネタ、前では永野さんが九州の海岸でキレ続ける人やってる。ふとしたタイミングでもう中が青雲を歌い始めると、永野さんもそれに合わせて「せいうーん、それはーきみがーみたひかりー」って一緒に歌ってる!なんだこれ!終わるとまたそれぞれのネタに戻る。今度はヤン坊マー坊の歌!最後の「ヤンマーディーゼルー」のとこはハモった!すごい!!(大興奮

そうそう、もう中を観ようと振り向いたら後ろのほうにトミドコロがいたよ。笑ってた。永野さんと同じ事務所だからかな。
ネタが終わってもう中が階下に降り、なんか急に細いキャンドルみたいなのを配り始める。欲しいと手を挙げる人が多くてなくなってしまい、「ああなくなっちゃった、どうしよう、じゃあ綿ぼこりを」ってすごく困りながら渡していた。かわいい。キャンドルサービスでもするのかと思ったら全然違った……。

【ネタ?】
「右左ゲーム」
永野さんが後ろを向いておしりを出して右左に動いたり、サングラスかけたり付け歯つけたりしてそれを客が言っていくゲーム。さっきキャンドルもらった人はそれで右左指せってことなのね……。「右、左、左、永野(ただ振り向くだけ)右、右、夜の永野(サングラスかけた状態)左、右、ドラキュラじじい(歯をつける)左、右、右、ヘルペス(口の横を指さす)」みんな結構声出してちゃんとやるところがおもしろい。どうやって決めたのかわからんけどいちばん優秀な人に永野がブックオフで100円で買ったサンバ・サルサのCDをプレゼント。

【エンディング】
全員呼び込んでエンディング。家城「最後のって完全に洗脳だよね。お客さんもわけわからないことに大声出してさ」押見「僕たちもちょっと面白くなってきちゃってるからもう洗脳されてるのかもしれないですね」ぐだぐだになりながらもう中がしめることに。じゃあ最後にみんなでディンガディンドンやりましょう!ってことでディンガディンドン締め。すごい!まともな3人が取り込まれてる!!ひとりだけ多くディンドンしちゃって照れ笑いする吉田さんがかわいかったです。

やあ、もう中のわけわからなさもすごいけど、わたしは永野さんの底知れなさに戦慄した。ぱっと見まともで常識人で、もちろん実際常識的なところはあるんだけど(変な但し書き)スイッチを切り替えたときにちらりと見えるブラックホールの深さたるや。見た目ちょっとバカリズムっぽくてちょっとかわいらしいところがあるぶん、それでうまくカモフラージュされてて逆にタチが悪い。すごい。折り込み入ってたけど、今度ロフトプラスワンで単独ライブやるみたい。なぜかフライヤーがフルカラーという謎…そして「ペンライトをお持ち下さい」という注意書き…こわいもの見たさで柱の陰からのぞいてみたい。
何が正しくて何が狂っているのか、そもそもお笑いってなんだろうってちっともわけがわからなくなったけど、ただひとつ言えることは2時間ぶっ通しで火がついたように笑っていたこと。わけがわからないもので笑っているという、なんだかマゾヒズムさえ滲むようなお笑い体験でした。次もぜったい行く。