やさしさライセンス

こないだ、別に誰かの誕生日でもなんでもないけど実家にキャロットケーキ作って持ってったんですよ。馬誕生日のときとは違う、ホットケーキミックス使う簡単レシピで焼いて。そしたらできあがりが非常に、非常にもっちりとしてしまった。もっちりというか、べったりという表現のほうが近いような……。味見せんで持って行ったので、実家で切り分けて母親と食べながら「なんかすごいしっとりしちゃったね……」と暗い目でつぶやいたら「うんでも味は美味しいよ」と言って食べてくれて。それから何日間か実家に滞在したんですけど、わたしもその残りを食べようとせず、両親も気を遣ってくれたのかそのケーキがその後話題にのぼることはなかったんです。でもそれからちょいと経ってから母親が、思い出しように「あのにんじんケーキ、あっためてお父さんと食べたら蒸しパンみたいですごくおいしかったよ」と言ってくれました。ちゃんと食べてくれたんだねえ。わたしはてっきり宇宙の果てへ帰ってしまった*1と思っていたのに。なんかうれしかった。そしてすんませんと思った。工夫しなくてもちゃんとおいしく食べられるもの持って帰れるようになんないとな。

*1:斉藤由貴「土曜日のタマネギ」的表現