深夜遊戯

10月某日、午前3時。人通りがなくなった繁華街を友達と3人で歩いた。同じものを見て同じ話でげらげら笑って、タクシーで友達の家に帰ってわいわい言いながら寝て、起きてまた同じもの見て盛り上がって。オーバーサーティーの女子がなにやってんだよと思ったけど、こんなに幸せな時間はないと思ってしまった。
10月某日、深夜1時半。さんざっぱら飲み食いしてげらげら笑って、終電を当たり前のように逃して、「なんか食べたりない」という友達に付き合って3人で環七を歩いた。結局こんな深夜にやってる店なんて焼肉屋とラーメン屋ぐらいしかなくて、「肉焼く?」「肉は無理」なんて言い合っていたらいよいよ店がなくなってきて、残るはサイゼリヤのみという状況になってしまった。「サイゼリヤでいいじゃんもう」「サイゼリヤはやだー」「だって他にないんだもん」「帰るー」「帰るの?じゃあ帰ろう」「サイゼリヤに行くー」「えっ」そんな酔っぱらい問答を繰り返してサイゼリヤに落ち着き、さんざん食べた後だっちゅうのにワイン呑んだりピザ食ったりして、お互いもう遠慮もへったくれもない会話をさんざんしてまた笑った。オーバーサーティーの女子がなにやってんだよと思ったけど、こんなに幸せな時間はないと思ってしまった。
「深夜にファミレス」という行為にわたしは変な憧れを抱いていた。しかるべき時期に、わたしは一切そういうことをしてこなかったからだ。お泊まりで夜通ししゃべるとか、そういうのとはニュアンスがやっぱり違う。しかも深夜に○○って相当気が合う人しかできないと思うのだ。誰に連絡する必要もなく、どんどん深夜のバカテンションになって箸が転げても笑うようになって、好きな時間に好きなように帰っていく、そんなすごくダメでとっても愛しい時間がやっと訪れた。いろんな心のささくれがどんどん剥ぎ取られていって、楽しいって感情しかなくなる瞬間、自分の体重が急に軽くなったみたいな気持ちになる。眠いのを通り越して頭の奥をじーんとさせながら、ふわふわへらへら笑いながら、「たのしーい!」って叫びたくなる。それがやっときた。さんじゅうすぎてやっときた!なんか最近、失われた時間をたくさん取り戻してる気がするな。一緒にバカやってくれる友達がいるおかげだ。同じものが好きでも、同じベクトルに乗ってる人って限られてると思うんだけれど、そんな奇跡的な出会いができてるってことに感謝が止まらないよ。ごめんよおかあさん、こんなだけど娘は楽しい毎日を送ってるよ!これって親不孝っていわないよね!(必死に正当化