踊る大捜査線3


レインボーブリッジ封鎖できなかった事件からもう7年。そりゃあわたしも年取るわけだ。7年前はもうちょっとまわりに踊るファンがいたような気がしたけど、意気揚々と初日舞台挨拶生中継付き前売り券を2枚取ったら一緒に行く人が誰もいませんでした。まあわたしもあの時よりだいぶ熱は冷めてるけどさ……。小石を蹴るような気持ちで仕方ないから年老いた母親を無理矢理誘い、早朝のギロッポンズーヒルに繰り出してきました。
思いっきりネタバレるよ!!
7年前はそりゃあもうわたしは熱狂的で、スリアミの芝居に行くわロケ地巡りするわ当然初日舞台挨拶に行くわそのあと映画5回観に行くわで相当なもんでした。でも和久さんがいなくなり、いろんなスピンオフを経て、踊るチームに新しい顔ぶれがどんどん増えては消え、わたしの中で何かが少しずつすり減っていきました。もう本編の続編は望めないんだろうな、そんな気持ちも消えかけてきた頃に飛び込んできた3制作の話。そりゃあ沸き立ったけど、でも心配だった。踊るはサザエさんドラえもんじゃないから、登場人物はそれぞれ年を取って立場も変わってくる。もちろんそこが醍醐味でもあるんだけど、さすがにあれから7年。不安のほうが大きいといっても過言ではありませんでした。なにより、和久さんがもういないんだし、雪乃さんも出られないんだし。
劇場が暗くなりスクリーンに湾岸署が映り、青島くんがアップになり、でもまだ実感がわかなかった。青島係長の下には新しい顔ぶればかりで(緒方くんは前からいるけど)、真下くんが帰ってきても雪乃さんのことがちらついて華やいだ気分にもなれず、だけど物語中盤、ちょっとした誤解で青島くんがしょげまくり、それをすみれさんが叱咤激励し、和久さんの言葉を思い出し、引越のバタバタでなくなってた青島コートが見つかり、青島くんがやる気を取り戻し、踊るのテーマが盛大に鳴り響いて青島くんがスローモーションでコートを着るっちゅうベッタベタな演出を見た瞬間にやっと血が沸き立ってきたのです。青島くんだ。青島くんが帰ってきた!バカみたいだけど、すごくうれしかった。この作品はみんながみんなそうだけど、このチームになってそれぞれの格好をするとほんとうにそのキャラクターにしかならなくなる。織田くんは完璧に青島俊作だし、ふかっちゃんは冴えないスーツで恩田すみれに戻る。一歩退いて見ると織田くんやっぱり老けたなあと思うけど、ちょっとふくれたみたいな表情するとあの時のままのかわいい青島くんに戻るんだよ!青島くんとすみれさんの、あのまったく距離感の変わってない微妙なやり取りが健在でそこがたまらなく甘酸っぱくて、もどかしくて、懐かしくなる。スリアミのコントに冷静につっこむ緒方くんっていうちょっとしたコネタにもくすぐられる。なんだかこれは、完璧に踊るファンのための続編だなってすごく思った。まさかKYON2がこんなに重要な役柄だったなんて……しかも前の事件ちゃんと覚えてないと、説明がないからちっとも理解できないと思うし。過去の逮捕者が出てくるっていうから、どうせ写真ぐらいかと思ってたら岡村と伊集院とゴロさんはちゃんと出てきたよ!ゴロさん演じる鏡がキリスト教に入信していたっちゅうのがイメージ通り過ぎてすごい笑った。あとの犯人は、まあ10年も経ってりゃ釈放されるよねって納得できたし、逆に岡村はまだ刑務所に入ってたのかっていう……。
まとまらないまま自動書記っぽく書いてきちゃったけど、結論から言うとやっぱり前2作には及ばなかった。スピード感も事件の規模も胸に響くところも全部、スケールがちっちゃくなっちゃってた。それはしょうがないと思うんだ。人数もやたら増えてるし、昇進して事件に絡まなくなってきたメンバーも多いし、もういろんなとこ駆けずり回ってカラダ張るようなことできなくなってきたし。だけどやっぱり、踊るにはわくわくさせてもらいたいんだ。真下くんももっと小池くんに元上司らしいナイスなアドバイスして解決に一役買ってくれるのかと思ってたのに!ほんとなんもしてない!最後のサプライズのために出てきたようなもんだよ!室井さんも暗いとこにずっと閉じこめられて、青島くんと絡むのなんてほんとに物語の最後の最後だけだ。しかももう捜査はやらないって!!昇進してくってことはそういうことなんだろうけど……。そしてまさかのスリアミ解散に横っ面はたかれたような気持ちになったよ。だから今回こんなに出番多かったんだろうか。
そして、このメンツの中に和久さんがいないことの喪失感。やっぱり大きすぎた。劇中でも伊藤くんに「叔父の形見分けでもらいまして」って、ちゃんと亡くなったことにされていたことに胸がずきんとしました。
1回見ただけじゃ解けなかった謎は、(1)あのノライヌって犯人を見て青島くん「どっかで…」って言ってたけど、あいつ誰だったっけ?(2)小栗は何で目をやられたのかの2点。もうちょっとあるかも。だいぶ「うーん」なMOVIE3だったけど、一応ファンとしての礼儀を貫くためにもう1回は観てこようと思ってます。まあファンだからこそハードルが上がるってのもあると思うしね。やー、それにしても小栗出張ってたね!最後いい人になるかと思いきやとんがったままだったから、今後の予感をちょっと残してるのかな。でもまあ、次はやっぱりないような気がするんだよね……。あと、小栗がアップになるとピアスの穴にどうしても目がいってしまうわたしはどうやらピアスの穴フェチのようです。へんたいだ。
うーん、好きなものについて書くとなかなかまとまらん。
そんでもって舞台挨拶。まったくアナウンサーとは思えない滑舌の悪さで笠井が進行。織田くんのかっこが青島くん仕様!うれしい!7年前は確か紫のポロシャツだったよね(急に記憶がよみがえってきて自分が怖い)スリアミだけ制服!(笑)あの3人は壇上でもこちょこちょしゃべったりしててまんまスリアミなのよね…かわいい…。織田くんは「こんなにお待たせしちゃいましたけど、帰ってきました。7年間紆余曲折あってここに帰ってこれてうれしいです」みたいなことを、感極まった様子で語っていました。ほんとにうれしいんだろうね。やっぱり和久さんのことがあったからなかなか立ち上がれなくて、でも和久さんに「おまえたちやれるだろ」って言われてる気がして、ここまでたどり着いた、みたいな話を織田くんがしてる隣でふかっちゃんが涙目でうなずきながら聞いていて、ほんとうにぐっときました。あと、ギバちゃんが「今回室井はつらかったです」って話をしてるときに、そんなギバちゃんを見つめる隣の織田くんの笑顔がほんとうによくって!犬猿の仲ってよく週刊誌とかに書かれてるけど、あの笑顔見て絶対そんなことないと思った。室井さんと青島くんの関係がそのまま出てるみたいな、すごくいい笑顔でした。それから、北村さんの挨拶に泣いたなあ……。「スリアミが解散することになってしまって、これなんとかならないの?」ってまんま署長の口調だったんだけど、すごく名残惜しそうにしていて、「今日は和久さんも観に来てくれてるみたいで…ありがとね、和久さん」って後ろのほうを見ながら言って、首を伸ばして和久さんを探す副署長、みたいな図にほろりと来ました。ほんとうにいい現場、いいチームなんだなってひしひしと伝わってきたよ。あとはやっぱりユースケの口から出任せ劇場が最高すぎて感動。「スピンオフ『新署長真下正義』の制作が決まりました!11月から撮影に入ります。あと、僕と伊藤くんと小栗くんの3人でブブゼラ3というユニットを組みました!CDデビューします!」全力で応援するからほんとうにやればいいと思った。よくあんなことを台本なしにすらすら言えるよね……天賦の才だと思います。伊藤くんがほんとうに「ブブゼラ3、がんばります!」って意気込んでて、小栗も「ブブゼラ3のメンバーになりました小栗旬です」って言ってて、なんかふたりともありがとうって思ってしまったwいいやつらだ!あと、途中から言葉がわからなくなってわやになっちゃったふかっちゃんがとてもかわいかったです。「不慣れなもので…」って何度も舞台挨拶出てるやんか!かわいいぞこのやろう!!
ふう。たくさん打って疲れちゃった。こんだけ勢いに任せて書いちゃうんだから、なんだかんだ言ってやっぱり踊るが好きなんだろうな。また何か思いだしたら書きます。ここまで読んでくれる稀有な人なんているのかしら。今回完璧に自分の備忘録だなー!