運転手は君だ 車掌は僕だ

こないだのタモリ倶楽部でタモさんが白ズボンに白ワイシャツ、ピンクベストという衣装でクリスペプラーに「オードリーじゃないですか」と指摘され、「着てから気づいたんだよ」と笑ってトゥースをやった瞬間にわたしの中のメーターが振り切れたんですけど、いいともにおけるタモさんの偏愛にも似た若林への執着を見たときにもわたしはその感覚におそわれます。それはただ単に好きなものどうしがコラボっている!という喜びを超えて、なにかカタルシスめいたものすら感じるんです。
その理由を言葉で説明したいんですけど、ちょっと本気すぎてできません。すいません。ただひとつわかることは、土曜深夜から日曜昼にかけては至福のゴールデンタイムということだけです。ANNから増刊号の流れがあまりにも美しすぎて、わたしはもう土日に外出できない人になってしまいました。するけど。じゃんじゃん誘ってほしいけど!*1
わたし大鳥居初心者のとき、春日というモンスターを操れるのは若林しかいないんだ!と思っていました。でも違った。ANNを聴くにつけ、若林というブラックホールを御せるのは春日しかいないということに気づいてしまった。真実は逆だったんです。確かに春日をいちばん輝かせられるのはなんつっても若林なんですけど、若林のほうがよっぽどタチが悪い。あのとんでもない悪童に付き合ってやれんのは春日だけなんです。
ここ最近のANNでは、コンビ結成10年を迎えてもなお若林はまだ春日の親御さんに「息子さんと一緒に漫才やらせてください」とちゃんと挨拶をしていない、だからラジオで公開プロポーズをしようという、ある層のリスナーの背筋が凍るっちゅうか脳が沸き立つっちゅうか、そんな気が狂った企画をぶち上げておりまして、昨日がその決行の日だったんです。深夜にもかかわらず起きてスタンバイさせられてる春日母に若林が電話で結婚の挨拶をするっていう、もう何があっても聞き逃せない日でありまして。わたくし親戚の家に泊まっていたにも関わらず、携帯ラジオを持参するという用意周到っぷり。
まあこの企画も若林とチーム付け焼き刃(作家陣)だけがノリノリで、春日は「別にそんなことしてくれなくていいよ」と終始渋い顔をしていて、ある層に相当するわたしも終始ネタというかその路線をわざと狙って笑い飛ばすという思惑のもとに行われるのかと疑心暗鬼な気持ちでいたんですけど、始まってみたらそんな茶化すような感じではなく、至ってマジメに事が進行していったのでした。
電話する前のやりとり。

若「夫がね、挨拶行くっていってんだからそこはおまえ妻としてさ」
春「ちょっと待ちたまえよ。いつ妻になってたんだよわたしは」
若「2000年4月だよ」
春「妻だったの?ずーっと」
若「そうだよ」
春「あたしが夫だと思ってましたけど」
若「何言ってんだおまえ。おまえのほうが女装したらきれいだろ」
春「確かにそうだな」

こういうやりとりを照れ笑いもせずに交わせるふたり。すごいという言葉しか出てきません。あんた何人の女子を布団の中で悶絶させてると思ってんの!!
そして異常に緊張しながら若林が春日母に電話をします。以下、書き起こし長いけどどこも割愛できませんでした。

若「10年経ちましたけども、これからも相方は春日俊彰くんがいいなと思ってますし、お母さんと実際面と向かってお話したこともありませんし、ご挨拶送れてるんですけども、何より僕は俊彰…のこと」
春「急に呼び捨てにして(笑)」
若「中学生の時から一緒で、絆がありますし」
母「もう長いですもんね」
若「テレビでは春日…っていうか俊彰に厳しい口調をしたりしますけれども、それは信頼してるという絆があるからであって、僕はほんとに年取っても漫才やりたいと思ってるので、今までのことも含めてなんですけども、私のような虎のぬいぐるみもかぶれないような男*2ですけども、もしお母さんがよろしければ、息子さんを僕にください!」
母「あんなのでいいんですか(笑)」
若「全然、最高の相方だと思ってます」
母「でもケチでお風呂にも入らず、汚いじゃないですか(笑)」
若「俊彰は、ケチで、汚いです。ちょっとうそつきですけども」
母「そうですか?」
若「そうでもないです、すいません」
春日苦笑
母「でも人がいいでしょ」
若「人がいいんですよお母さん!俊彰は」
母「バカがつくほど人がよくて」
若「人がよすぎて心配になっちゃうぐらいなんです」
母「人を疑うことができなくて」
若「そうなんです、人を疑うことが出来ないじゃないですか。そこへ来て、腹黒い若林がついてるのがいいと思うんです」
母「しっかりした人がそばにいてくださればいちばんいいと思いますよね」
若「もしだまされたりしたときは、それ違うぞって僕が言うつもりも、俊彰を守るつもりです、僕は」
母「それはもうおまかせしますので。こちらは何も出来ませんから」
若「おまかせするってことは息子さん僕にくれるってことですか」
母「そうですね」
若「お母さんありがとうございます!」
BGM「未来予想図2」イン
母「血圧が上がってきちゃいましたよ。これからもよろしくお願いしますね」
若「こちらこそよろしくお願いします!」

ちょいちょい笑いを挟んではきたけど、わたしこんなに若林が真面目なトーンで進行すると思わなかったんです。「最高の相方だと思ってます」ってさらっと言ったときに、あ、この人本気だったんだ、企画という形を借りて、本当にちゃんと挨拶したかったのかもしれないと思ってしまった。いろんな番組で売れない時代に自分が春日をお笑いの道に引きずり込んでしまったことに責任を感じてたってエピソード聞いてたし、春日母も言うように、ほんとうに春日はいいやつなんだろう。腹黒い若林はなんども春日のおおらかさに救われてきたんだろう。だから日の目を見れるようになった今、わりと本気で若林はこのコーナーを企画しようと思ったんじゃないだろうか。いやだ、うっかり胸を打たれてしまうよ!!
春日母も最初は「こんな夜中になにやってんだろう」みたいな感じでちょっと半笑いだったけど、若林が挨拶をしたあたりから「今のあなたたちがあるのはいろんな方に支えられてきたわけだから感謝を忘れずに」とか「これからもみんなにかわいがられるように頑張ってね」と、すごく真面目に息子たちを応援していることが伝わってきて、なんだか異常に感動してしまいました。
未来予想図かかったときもベタすぎてただ笑っただけだったけど、あらためて歌詞思い出したらちょっと泣けてくるじゃないか。

きっと何年経っても こうして変わらぬ思いを
持っていられるのも あなたとだから
ずっと心に描く 未来予想図は
ほら 思ったとおりに かなえられてく 

ああ、わたしやっぱり大鳥居がだいすきだ。

*1:それでもさみしがりやスピリッツは忘れない

*2:お笑いポポロのグラビアで虎のぬいぐるみをかぶれという指示にどうしても従えず、ふてくされた顔で虎のぬいぐるみを頭に乗っけたという事件