もう大丈夫だよ

仕事帰りに買ったミニブーケが、昨日やっとしおれ始めた。
いつ買ったんだっけか。
江ノ島行く前の週だから、4/14とかだ。
1週間経ったあたりで「あれ?ずいぶん長持ちしてるなあ」と首を傾げ、10日過ぎたぐらいからさすがに怖くなってきた。深紅のカーネーションも黄色いミニバラも、マーガレットをちょっと小さくしたような白い花も、1輪たりともしおれることがなく、2週間が過ぎた。
買ったときに切り花を長持ちさせるという液体をもらって、それを水替えのたびに入れてはいたけれど、さすがに5月に入ってもまったく枯れる気配を見せないのはおかしい。ドライフラワーになってしまったのかと花びらをさわるけれど、相変わらずやわらかい。
それが、昨日やっとしおれてきた。カーネーションとバラはそろそろ寿命だけど、マーガレットのような花は買ったときとまったく変わらず元気なままだ。
もっと寒い時期に買ったブーケは5日ももたずに枯れてしまったというのに、どうしてこんなに生き続けているのだろう。
心が折れてどうしようもないときに、せめて部屋の中だけでも明るくしようとすがるように買ったブーケだった。テレビの前に置いた花をいつも眺めては、少しでも長生きしてねと語りかけながら水を替えていたけれど、ここまで長いとなんだかわたしを励ますために生き長らえているような気がしてしまう。人に話すたびに「部屋が涼しいんだね」と言われるけれど、さすがに半月も経つと見えざる力の存在を信じそうになるのは無理もないよねえ。
楽しいことが増えてきて、もうだいぶ前を向けるようになったこのタイミングでしおれ始める花たち。
やっぱりなんかあるよ。
理屈では説明できないことが、きっとこの世にはあるんだよ。