サーフブンガクキャマクラ

「明日はぐっと冷え込みます。あたたかくしてお出かけください」と天気予報に脅された昨日、こないだ血迷って大枚はたいて買ったばかりの本革のライダースジャケットをおろした。会社に出かけるよりも早い時間の電車に乗って、着いたのは鎌倉。
最近気が合うことがわかった3人で、秋の行楽っぽいことをやってみた。ふたりともわたしより若い。2つ下と、4つ下。
寒かったけれど、空が抜けるように青かった。思い切り息を吸い込んだら、からだの中が新鮮な空気で満たされたような気分になった。
プランは旅のしおりまで作ってくれた*1年下に任せて、わたしはただついて行くだけだ。「おなかすいたから力が出ない」と大声でわがままを言っていたら、甘味処に連れて行かれた。

白玉がでかすぎる。
おいしかったけれどとにかくボリューム満点で、ひさびさの甘いものにちょっとだけ罪悪感を覚えながらも黙々と食べた。「これから歩くからカロリー消費されるよ!」年下に励まされたりなんかして。
冷たい空気が逆に心地よかった。休日の鎌倉は細い路地に観光客がひしめいていて決して歩きやすくはなかったけれど、道々お寺やお店をのぞいたりして、こんなにゆったりとした時間を過ごしたのはひさしぶりだった。最近一緒に遊び始めた2人と一緒だから、適度な距離感が少しくすぐったくておもしろい。

蜂蜜屋さんに飾られていた缶がレトロで素敵。
お昼ご飯は穴子丼。さっきジャンボ白玉を食べたというのに。

穴子ふわふわでおいしかった。
竹の美しい報国寺や頼朝の墓に立ち寄り、小町通りでちょっとした竹下通りのような混雑に遭遇し、鳩サブレの本店でハトカーや鳩三郎などのグッズを年下に勧め(しかし自分は買わない)それから由比ヶ浜で茜色の空を見た。
ほんとうに寒かったけど、青春ぽくてちょっと楽しかった。年下を「波打ち際に字とか書いてきなさいよ」なんてからかったりして遊んだ。
それから長谷駅の近くにあるハワイアンショップでコナコーヒーを飲んで休憩し、年下おすすめの洋食屋さんに行った。食べてばっかりだ。わたしは最近小食になってしまったので、あまりたくさん食べられず白ワインばかり飲んでいたらすっかり酔っぱらってしまった。とにかくよく歩いたから、みんな酔いが回るのが早かった。おかげで普段しゃべらないようなことまでいっぱい話したような気がする。
そういう話が自然とできるような仲間なのだなあと、帰りの電車に揺られながら思った。
大切にしよう。
ちなみに前日連れに「どこ行くの?」と聞かれたので「キャマクラ」と答えたら「キャバクラ?」と聞き返された。さもありなん。仕事のヤマにぶち当たって連日へろへろの連れになんだか言いづらくて口を濁した結果、変な発音になってしまったのだった。申し訳なかった。でもものすごく楽しかった。この年になると新しく遊ぶ友達というのがなかなかできないから、余計うれしいのだった。あだ名のなかったわたしは年下たちからまた「ねえさん」と呼ばれるようになってしまったけど……。この豪快キャラをなんとかしたいんだけどなあ。

*1:というかわたしが作らせた