真似しない

会社の行き帰りでこれを読んでいるのだが、電車に揺られている時間が正味10分程度なので、なかなか読み終わらないでいる。

吉田戦車 (文藝別冊 KAWADE夢ムック)

吉田戦車 (文藝別冊 KAWADE夢ムック)

あまりにインパクトの強すぎる表紙なので、毎朝同じ電車の人に「吉田戦車の人」と覚えられていないか心配だ。別に覚えられていてもいっこうに構わないのだけど。
オシム監督の通訳と戦車氏がいとこ同士だったとは知らなかった。
わたしにもびっくりするような血縁関係が突然現れたりしないだろうか。今朝テレビでやってたなんとかというミュージシャンは、自分が菅原道真の末裔であることをおばあちゃんから急に打ち明けられたらしい。その血縁にちなんで湯島天神でフリーライブをやっていた。
そこまであやしくなくていい。
戦国より前の時代だと急になんだか信憑性が薄れる気がするのはなんでだろうか。しかし「末裔」という言葉にはロマンがある。末裔、使いたい。しかしうちの先祖は某村の農民という揺るぎない事実があるので、農民の末裔などとほざいてみてもむなしくなるだけである。
吉田戦車に戻るけれど、わたしは「伝染るんです。」を読んだことがない。あれが大流行したころわたしはまだ幼く、シュールなものをこわいという感情でしか受け止められなかった。それから機会を逃し、ここまで生きてきてしまった。なにか、とても損をしているような気分だ。
唯一読んだことがあるのは、わたしがスピリッツ読者だったころに連載されていたつやつや担任とぷりぷり県ぐらいで、しかもよく覚えていない。
そんな中途半端すぎるわたしがこんなムックを買ってしまった。だって豪華なんだもん!!林檎さんと対談とかしていて、なんというか職権乱用!!って思ってしまった。
いがらしみきお中川いさみ吉田戦車は、作風もさることながら言語センスがドンピシャすぎて困る。ドンピシャなものに出会ったときの背筋がぶるっと震える感じ、あれはとても尊いものだ。でも読んだあとは必ずひきずられて、気がつくと自分の文章がいさみ風味とかになっていてがっくりくる。オリジナリティ!!って自分のほっぺたひっぱたきたくなるんだぜ。そんだけの影響を与えられるのって、やっぱり表現者としてものすごく優れてるって証拠なんだろうなー。