寂寞

「ピクルスって何でできてるんですか?」
会社の休憩スペースでしゃべっていた社員が、そこを通りかかった上司にそう聞いていた。ふと声のするほうを見ると座っているのは3人。ということはその場にいる全員がピクルスの原料を知らないということになる。

  • 「ピクルスっていろんな種類があるんじゃないの?」
  • 「よくハンバーガーに挟まってるアレはなんなんですか」
  • 「さあ……ズッキーニ?」

わたしはこういうときに口を挟めない人間なので、気が狂いそうだと思いながらその話を聞いていたら、ラベルに書いてあったらしくて「へえー、キュウリなんだー」と解決した模様。ああ、でもわたし聞かれなくてよかった。ぜったい「え?知らないんですか?」って言ってしまうに違いないから。
「なんでそんなこともしらないの」と思うことが多いんだけど、やっぱり常識って人それぞれなのかな。わたしはそこに著しいズレを感じると相手によってはそう口にしてしまい、親によく「あなたほんとにそうやってバカにするわよね」と怒られる。わたしだって日本の歴史とか算数とか極端にできないバカだから、きっとそう思われてることもあるんだろうな。でもどうしてもピクルスの原料ぐらいは知っておいてほしかった。メイプルシロップと蜂蜜の違いぐらいは知っておいてほしかった。そう思うことは欲張りなのだろうか。
なんかちょっと生きづらい。
ちなみに沢ヒップさんの花嫁衣装の首から上について、せっかくきれいな顔してるんだから普通にすればいいのにな。打ち掛けはステキだったのにもったいな。そう一抹の寂しさを感じた自分に老いを実感しました。こうやって人は丸くなっていくんですね。