立ち位置がわからない

昨日の給与明細は、よく見たら7月分だった。なーんだ。ということは、来月の振り込みが少ないということだ。これはぬかよろこびだったのだろうか。ぬか、ではないような気もする。よくわからない。まあ、腑に落ちたからいいか。
そういえば、わたしをあだ名で呼んでくれる会社の人がひとりだけいるんだった。元ヤンキーで元ホストのプログラマーだ。接客業を得意としていたからか、こんなわたしにもよく話しかけてくれる。彼はわたしをすばやくいじられキャラだと見抜いたらしく、わたしも彼だけには口から出まかせの軽口を叩くことができるのだ。
ちなみにわたしは、彼との間でだけまたぎキャラである。
冬場に着ていたもこもこのベストがまたぎっぽくて、よせばいいのに自分で「またぎみたいでしょ」と言ったもんだから、何かというと「山に帰れ」だの「都会の水に馴染んだか」などと言ってくる。わたしもそういうのがうれしくて「もう山の暮らしは捨てたのさ」などと悪ノリする。こないだはオフィスグリコでグミを選んでいた彼に「ピヨ丸はグミより飴派か?山での非常食はサクマドロップスか」と言われたので、「買う金がなくておはじきなめてたよ」と返事をしたら「節子…!」と爆笑された。
まるで小学生のノリだ。まさにわたしは小学生のころ、隣の席になった男子ともれなく変なウソ話をして盛り上がっていた。いつだったか、やつが「俺、卑弥呼見たことあるんだぜ」と言ってきたので「へえ、きれいだった?」と聞き返したら、なんだか嬉々として会話に乗ってこられた記憶がある。このくらいの年代の女子に同じ話をしたら「何言ってんの?」と蔑まれるだけなので、わたしのような希有な存在がうれしかったのだろう。それがモテにつながることは皆無だったが、誰が隣の席に来ても良好な関係を築けたことを覚えている。
なんというか、あまりに極端な立ち位置だと自分でも思う。もっと普通でいいんだ。変な悪ノリとかできなくていいから、もっと社会に溶け込みたいと強く思う。