テーマは「笑顔」なのに

本当にちょこっとしか観なかったけど、さんまvsタモさんinいいともに笑い転げながら胸がいっぱいになり、そしてさんまのいいとも時代をほとんど知らなかった観覧の客に呆れ果てながら自分の年齢を実感し、鶴ちゃんさんま邦ちゃんの並びにじーんとした27時間テレビでした。だけどやっぱり、最後はビギンのステキな歌を聴いたタケちゃんマンの一言に全部持ってかれた。

「お笑いやってるとつらいことも多いけど、今みたいの聴くと報われるよな」

「あんたそんなかっこして何いいこと言おうとしてんの」とつっこむさんまのうれしそうな顔と、タケちゃんに戻って笑う世界のキタノ。
泣いてしまった。
テレビの中で生きる芸能人という存在、その光と影を思って泣いてしまった。幼い頃に胸を躍らせながらブラウン管の向こう側に観たキラキラの姿を思い出して、そしてあっちの世界に行ってしまったいろんな人の姿を思い出して、えぐえぐと泣いてしまった。
もちろん自分とは関係のない世界、そういう職業を選んでしまった者たちの宿命と言ってしまえばそれまでだけれど、みんな、命を削りながらパフォーマンスしてるんだ、そう思ったらいまさらながらこみ上げるものがあって。
わたしが観たもの、聴いたものを文字に残しておきたいのは、もちろんわたしの防備録でもあるのだけれど、その表現者たちに敬意を表したいからなのかもしれないと思った。そしておこがましいけれど、わたしが表に書くことによって誰かひとりにでもそれが伝われば、こんなにうれしいことはない。
すべての表現者に幸あれ、と願う夜。