日本一の男

昨日の篤姫はすごかった。なにか、尊いものを観た気分になった。
ソファにこんなんなって寄っかかりながら、だらりと画面を観ている自分がすこし恥ずかしくなった。孤独が裏返って幸福になった瞬間、長く伸びる影の存在に胸がつぶれそうになる。なんというか、身震いがした。殿と姫の抱擁シーンに頭をしびれさせながら、このドラマはただものじゃない、この人たちは役者という器を介して、故人の魂を降霊しているようだとすら思った。やめてくれ!また死ぬ間際に輝きまくるのはやめてくれ!その輝きだって太陽みたいに暖色だったらまだ救われるけど、こんな青い、研ぎ澄まされた光を放つのはやめてくれ!だったら来週死ぬのはやめてくれ!ちまたじゃ第2堺ブームがまたひと波来てて、昨日アフタースクール(2回目)観に行ってまたもや雨に濡れそぼった木村の「早くしなさいよ」にモヘあがったばかりなのに、ああもうちくしょう!と思う。
男女の情愛に、こんなにもしびれたことがあっただろうか。軟派な恋愛ものが嫌いで目を背け続けてきたわたしが、このやんごとなき夫婦に脳天を突かれたようになった。尚五郎さんの一途な想いに行く末を重ね合わせると、またもや心がざわついて落ち着かなくなる。
このドラマはすごい。すごいとしか言えない。あおいちゃんは大河の主役になるべくしてなった人だ。脚本、演出、キャスト、すべてのピースが少しの反故もなく噛み合っている。すごい。目が離せない。