惜しくない

目の焦点が合わない1日でした。
昨日、ひさしぶりに会った人に思いがけなく心のないことを言われ、目を白黒させ、でもこんなところで言い争いをしてはいけない、釈然としなかったけれど視線を逸らして口を閉ざして、別れたあともぐるぐると腑に落ちない思いばかりが回ったけれど、でも不思議と寂しくなかった。
普通あんなことを言われたら、わたし泣いてしまうはずなのに、涙も出なかった。ただ、かわいそうな人だと思った。そしてあのとき空気を読んで口を閉ざした自分をえらいと思った。空気を読まずに棘のある言葉を口にした相手を、かわいそうな人だと思った。
友達がひとり減ったなあ、そんなふうにぼんやりと思っただけ。ただ、それだけ。
楽しくもつらくもない夢を見て、相変わらずすっきりしない朝を迎えて、別に昨日のことを引きずっているつもりはないのに、何も手につかずにずっとぼんやりとしたまま昼になって、突然眠くなって倒れるように眠りに落ちて、気がついたら夜でした。
人に会う約束がなくてよかった。今日のわたしは、おもしろいことがひとつも言えそうにないや。
ぼんやりとぐるぐる、低気圧が立ちこめて心が晴れない日も、きっとわたしの糧になる。これも脳天気な毎日をのほほんと過ごすわたしへの喝なんだな。そうなんだな。おにぎりは、おいしいんだな。路上詩人的思考と裸の大将をないまぜにしてお茶を濁す今日の日よさようなら。