春なんてどこにあるの

昨日はひなまつりでした。ちらし寿司の日、ですね。でも日本の暦というものにすっかり疎くなってしまったわたしは、ニュースの中にしか歳時記を見つけられない。実家にいれば母親が小さな立ち雛を飾る。玄関を入れば、わずかな春の香りが漂う。でも六畳もない今の部屋には、そんな気配はどこにもない。
さみしいけれど、これが現実なんだろうなと思う。ひとりでも、他に誰も見る者がなくても、やればいいじゃないか。ひとりでちらし寿司を作って、おひなさまを出して、ひなあられを食べればいいじゃないか。……ほんとにそんなことしてる人なんているんだろうか。想像すらできないよ。
暗い目をしながらなぐさみにちょうど1年前の日記を読んでいたら、こんなことが書いてあった。

こないだ友達と数を数えていて、「あーそれは来年の3月だねえ」みたいな話になって「ぎゃ」となった。あまりにも見えない。自分が何してるか、どうなってるか全然見えない。一寸先は闇すぎてぞくぞくする。

言ってやりたいと思う。1年後のオマエは、ジャニーズ事務所の、ハタチの、しかもデビューもしてない男の子に入れあげているよ。信じられないかもしれないけど、ほんとうのことだよ。仕事もプライベートもぱっとしなくて、でも自分の欲望にはあいかわらず忠実すぎるほど忠実に、手加減もせず猪突猛進してるよ。半分、脳の病気にかかっているよ。31にもなって、どんどん人に言えない趣味が増えているよ。1年前のわたしはどんなリアクションを取るだろう。頭を抱えるだろうか。バカな、と笑い出すだろうか。それとも神妙な顔をして、いきなり舌を噛み切ろうとするだろうか。
現実って、酷い。
こんな自分を見放さずに友達でいてくれるひとたちに感謝します。心からありがとう。もう、自分ではどうにもならないのです。去る者は、追いません。