Pの悲劇

化粧をして、家を出ました。妙齢の女子というのにうちには玄関に鏡がありません。なぜなら狭いから!だから、エレベーターにある姿見で出がけにささっと最終チェックをします。おお、口紅を塗り忘れている。グロスを取り出してエレベーター内の鏡に向かったら、両目の下に黒い影が……!!!!
マスカラ塗ったあとにすぐに目をぱちぱちやってしまったのか、下まぶたに5ミリくらいの落書きが!たいへん!堂○剛さんみたいだ!(昔、よごれみたいなペイントを顔だか体につけていたのを見たことがあります)しかしこれはどう見てもファッションではありません。許されません。しかし下降していくエレベーター、45分の電車に乗らないといけないのに今は37分、駅まで5分…!あわてふためいてティッシュを取り出し、つばをつけてこすりますがウォータープルーフなので落ちるはずがありません。しょうがねえ、とハラを決めて走り出しました。ラン、ピヨ丸ラン。駅前のコンビニに駆け込みます。ビオレのメイク落としふくだけコットン(正式名称)を代金と引き換えにひっつかみ、少し伏目がちにホームへ向かいます。よかった、間に合った。電車を待つ間、ピヨ丸は人目も気にせず目の下をメイク落としでごしごしやり始めました。おお、さすが落ちる。しかしファンデーションも落ちる。当たり前だ。当たり前だが、目の下がハゲてしまった。なんとまあ滑稽な…。
応急処置としてメイク直し用の粉ファンデを目の下にはたきましたが、あまり効果はありませんでした。がっかり。鏡、買おう。ピヨ丸さんじゅっさい、遅すぎる決断です。