あくまのたべもの

ハーゲンといえば、ダッツとこたえる。わたしとあの人はそんなツーカーの仲でした。わたしのすきなハーゲンはクリスピーサンドキャラメル、あの人のすきなハーゲンはクリスピーサンドロイヤルミルクティー、つまりわたしたちはまるでクリスピーサンドみたいにお互いのからだで、いつもあまい愛という名のクリームをはさんで笑いあっていたのです。たまには抹茶黒みつ味もいいね、なんて目くばせしあったりして。
しあわせでした。わたしとあの人で、クリスピーサンドをいつも半分こ。ジョリーと僕とで半分こ。
でも、その蜜月は新しいクリスピーサンドの登場で粉々に打ち砕かれました。いつも半分こしていたクリスピーサンドを、あの人は全部自分のものにしようとするのです。きみには渡さない、これは僕が食べる。きみはキャラメル味でも食べていればいいじゃないか。僕には新しい恋人ができたのだ。もう、かまわないでくれないか。

果肉たっぷりのストロベリーアイスクリームと練乳コーティングの組み合わせ
ハーゲンダッツ アイスクリーム クリスピーサンド 『練乳いちご』
3月5日(月)、全国で新発売

こうして、わたしたちは別れました。クリスピーサンドのような愛が、クリスピーサンドに裏切られたのです。わたしは練乳いちごをぜったいに許さない。あなたがひとつ食べるなら、わたしはこれを3つ食べてやる。ぶくぶくに醜く太って、わたしを太らせた原因を作ったことを後悔させてやる。かつて愛した人をこんな姿にしてしまったことを、海よりも深く悔やむがいい。

要するに、ちょう食べたいということです。なんでこんな小話書いちゃったんだろう。