朧の森に棲む鬼

劇団☆新感線「朧の森に棲む鬼」@新橋演舞場
遅ればせながら4日ソワレに観てきた朧の感想でござるよ。ネタバレに入る前に一言シャウトさせてください。
阿部さんサイコオォォォォォ!!!
とにかく阿部さんが最高すぎて困りました。主役が食われてるよ!サラサラ愛好家のわたしとしては阿部さんのアタマがモジャだったことにちょっと落胆を隠せませんでしたが、とにかく演技・殺陣・愛嬌どれをとってもピカイチで参った。隣で観ていた母親も「かわいいねえ」と何度も目を細める始末。あと検非違使アイドルソング、ツボすぎて困るね。メタルマクベスのときの森山くんの使い方もそうだったけど、いのうえさんは大衆が求めることを確実にやってくれるからすばらしい。
このままだと阿部さん賛歌で終わってしまいそうだ。この辺で切り上げますが、とにかく阿部さんが最高な上に役回りがおいしすぎ、ファンが増えちゃって困るね☆というお話でございました。
それにしても染さんはお疲れさまだー。あんな膨大な量の台詞と立ち回り、果てはずぶ濡れまでを1日2回!……やー、苦労を思うと観てるこっちがしんどくなる。でもその苦労を感じさせない軽やかな身のこなしとライという男の持つウソの説得力はさすがのもの。でもまだちょっと台詞を言わされてる感じがなきにしもあらずなので、今後の成長が楽しみなところでありんす。
それに比べて古田の動かなさったら……殺陣なんてライ&キンタの3分の1もないよ!あんまり貫禄がありすぎて笑っちゃったよ。江守徹かと思った。でもその貫禄もかっこいいんだけどね(デレデレ)数少ない殺陣もニヤニヤしながら見つめちゃったしね(デレデレ)今回は遊びの部分があんまりないので変顔くらいしか古田のおちゃらけた部分を堪能できなくて残念だったっす。腕の蛇の刺青を一族の紋章と知って「これが…!」って言ったところ笑いが起きたけど、後から考えてみたらあれは笑うところじゃなかったのね。でもどう見たってあれは笑いどころだもんなー。
秋山さんかっこよかった。顔半分血まみれになるところ、うっとりしてしまった。真木よう子ちゃんはちょっと固いところがあったけど、場を追うにつれてこなれていく感じ。高田さんはさすがの一言。田山さん、ただのへちゃむくれにとどまらず最期が圧巻。小須田さん、ああ小須田さん…あれだけかよ!もうちょっと見せ場あげてもいいのになー。粟根さんとのアドリブの掛け合いが面白かった。粟根さんはまたしても目つきのこと言われてたね…もはや鉄板ですな。
水をふんだんに使った舞台美術と血糊の量、さすが12600円。あなたにはその価値があるから…!贅沢を言わせてもらうならもうちょっと後ろから俯瞰で観たかった。いつもタイトルバックで鳥肌ぞわわなんだけど、今回も期待通りのクオリティでした。ストーリーも二転三転と小気味よく転がっていって飽きさせず、感想を求めるといつも「まあまあね」と言う母親が面白かったと素直に認めたのでよかったんじゃないでしょうか。ってなんで母親基準。
中谷さとみちゃん演じるオクマがキンタを助けるってくだり、新感線ファンならニヤリと来たはず。「レッツゴー忍法帖」で阿部さん演じる猿飛のサダが滝に落ちたとき助けられたのがやっぱりさとみちゃん(役名忘れたけどイケてないイモ娘…)だったという。まさかこんなところでリンクするとは思わなかったよ!いつもさとみちゃんってこんな役…と思いながらも、マダレの名前をサザエと間違えるベタなギャグに笑いました。
カーテンコールで舞台に小ぶりの花束を投げ込んだ客がいたんだけど、足元に投げ込まれた瞬間阿部さんが「びくぅ!」てなって反射的に投げ返してたのが面白でした。そんな阿部さんをニヤニヤ眺める古田…悪い笑顔だなー。出演者ハケ際に染さんが花束の主に「俺宛て?」と自分をジェスチャーで指して、再度投げ込まれた花束をもらって投げキッスしてました。染さん優しい。たぶんあれ阿部さん宛ての花束だと思うんだけどなー。なんちって。それから3度目のカーテンコールでキスを客席に投げ込む古田をもう何十回と観てるはずなのにニヤニヤしちゃう自分がきもちわるいです。染さんの投げキッスはこなれてる感じがしてエロいです。
22日にもう1回観に行きます。どんなふうに進化してるか楽しみだにゃー。欲を言えば大阪でも観たいんですけどね。
それから次回作の「犬顔家の一族の陰謀」*1、実際チラシを手にするとにやける。チャンピオン祭り!待望のネタものですよー!新感線初心者には到底おすすめできないネタものですよー!つうか勝地くんも出るんだね…なんかこっちが申し訳ない気分になってくるよ…。なるしーが今度はどんなひどい格好をさせられるのかが見物です。

*1:くどいタイトルだな!