夢冒険
どうしよう。
ツアー初日まで、10日を切ってしまった。あと9日しかない。あと8つ寝ると福岡だ。
どうしよう。
いや、どうもしなくていいのだが。
心構えがまったくできない。新曲も聴いて雑誌の記事も読んでテレビ出演も観て、こないだなんか番組観覧まで行ってきたというのに、なんだかいまだに現実味がわかないのだ。ただ、気ばかり焦る。あんたが出演するわけでもないのに。
観覧に行くまでは、彼らを間近で見た瞬間、音を聴いた瞬間、感情のたがが外れておかしい人になってしまうに違いないと思っていた。スタッフに「ちょっと出てもらえますか」と注意されても致し方ないハメになるやもしれぬと本気で思っていた。なのに、なのに。
……と、もったいぶりつつこないだの観覧日記をしたためておこうと思います。番組は10/1から日テレで始まる「Music Lovers」。30分間まるまる米というたまらねえ構成になっております。なんとなく昔やってたFANという番組を彷彿とさせる内容でした。
9/15金曜午後１時半。バリバリ平日、日本テレビ前には250人からなる長蛇の列が。230番という絶望的な整理番号を与えられていたわたしは、列が動くのをじっと立ちつくしたまま待っていた。ここに集まっているのは全員てっぺいちゃんのFC会員。だから年だってそれなりだ。それなりの人たちにこの立ちんぼの刑はかなりつらい。大学時代同じクラスだった丸山さん似*1の女の子と、名古屋から来たというスタイル抜群友達たくさんのMIE似の女の子、ふたりとしゃべりながらひたすら待つ。建物の入り口で待機していたら、まわりの人たちがやたらと振り向くのでふと視線を向けたら、なんとすぐ脇の喫煙所に得ちゃんとわかばさんが！びっくりした！観覧者の列だとすぐ気づいたらしく、ちょっと照れたように会釈する得ちゃん。思わずわたしも会釈してしまった。ここまで来ないと吸えないのね…。
スタジオに通されたのは４時前、集合時間から約２時間半後のことだった。「本当に観られるのか不安になってきた」「もう疲れちゃった」とぼやいていたら突然の移動、やっと座れるかも！と丸山さん（仮）とはしゃいでスタジオに足を踏み入れたら、そこはオールスタンディングだった…がくり。
ディレクターさんの指示や注意事項を聞きつつ客もスタンバイ。ここから出ないでくださいと貼られた白線ギリギリに位置どったため、オンエアにはこれっぽっちも映ってないこと確実です。踊るのにどのくらいスペースがいるのか確かめたいとのことでいきなり浪漫飛行とShake Hip!が流され、当然のように踊る客。みんな堂々と踊るので、案の定スタンディングエリアが広がりました。わーい、これで広くなったぞー。
トーク用とライブ用とステージがふたつあり、その間にスタンディングエリアがある構造。１夜限りのスペシャルライブを毎週１組のアーティストが繰り広げるというコンセプトの番組で、気になる司会者は赤坂康彦だった。名前が発表された瞬間「ほー」と上がる微妙な歓声…。そして毎回ゲストアーティストに縁のあるタレントが出演とのことで、誰誰誰？と耳ダンボしていたら「花田勝さんと佐藤江梨子さんです」という呼び込みが…うわあ…微妙…。サトエリさんはさすがにとてもおきれいでしたが、米のライブを観たことない（世代的に仕方ないけど）らしくコメントもこれまた非常に微妙な感じでした…誰か他にいなかったのかな…。
赤坂さんの呼び込みで会場が暗くなり、ライブステージの斜幕に米マークが浮かび上がる。その向こうにスタンバってるメンバーが透けて見える…！！音が鳴り、幕が落ち、メンバーが現れ、向こう側からCS石井＆JOが…！ライジングと同じ衣装だ！すぐそこで歌うてっぺいちゃん、踊るシューク、もう何もかもがまぶしくて、あわあわしながら突発的に「ぎゃ！」とシャウトするばかりでした。スペシャルメドレーをまず披露したんだけど、どうしても最初の曲が思い出せない。浪漫飛行、愛knowマジック、Shake Hip!と続いたのは覚えてるんだけど、最初の曲だけ記憶が抜け殻。全然、まったく思い出せない。それほど衝撃が強かったんだろう。
「イエー」と掛け合うときのてっぺいちゃんの声がちょっとかすれていた。連日のリハでやられてるんだろうな。でも歌のときは全然そんな素振り見せなかった。さすがプロ〜。今回のテレビ出演は米フルメンバー。マチコちゃん、またさん、BHBも全員揃ってる。マチコちゃんのかわゆさにびびった。そして相変わらず目を見ながら手を振ってくれるシューク。うれしくて何度も手を振ってしまった。
メドレー終わってトークステージに移動、客もそっちへ移動。わたしはライブで前に行きたかったのであまり動かず。座りトークになるので全然見えなくなる予定だったが、隙間からやたらハンカチで額をぬぐう汗かき兄妹が運良く見えた。トーク内容はまあまあ。ジェームスさんと赤坂さんの間にてっぺいちゃんが通訳として入るところが面白かった。あと準備待ちの時にファンが促したのか、得ちゃんが「トクリンリン」のポーズを取ってメンバー大爆笑の図が大変素敵でした。金ちゃんがとっても楽しそうに笑っててねえ。
２曲目は「若い世代もリスペクトしてくれて」的なトークで入ったので、げんなりしていたら案の定だった。ホームメイドさんを迎えてテレビ初公開のアブラカダブラを。わたしはずっとミナちゃんを見て踊りに専念していました。曲終わりでてっぺいちゃんが「秋のライブにも参加してくれるので楽しみにしててくれ！」と発言、拍手で盛り上がる客席と反比例して明らかに盛り下がる嘘のつけないわたくし……。
「次の曲の準備があるから、俺たちがいるものと思って盛り上がりながら待っててくれ」とてっぺいちゃん。彼らがはけるとMATA(C)TANAのPVがかかる。見入る。終わると衣装チェンジしてPVと同じ格好したシュークが登場、かわいい！扇子持ってくりゃよかった。準備のいいファンはちゃんと持ってきてるもんなー。ここでサビのところだけシュークから踊りレクチャーが。楽しい。ミナちゃんに「そうそう、上手！」とほめられて喜ぶ客席。そしてメンバーを呼び込み、鶴をかぶったジェームスさん登場！すごい！断然すごい！これを生で見られるとは…！！あんまり頭動かせないみたいで、扇子を手に堂々と手を振るジェームスさん、大変神々しうございました。そしててっぺいちゃん登場、彼だけはちょっとPVと衣装が違います。なんでこの人こんなにかっこいいんだろうちきしょうめ！準備待ちのときに「北海道から来たって人いる？」と冗談半分な口調で聞いたらホントにひとり手を挙げて、「すごいね！」とめちゃくちゃびっくりしてました。うん、本当にすごいと思うよ…。あとやたら話しかける客がひとりいてね、わたしはそういうのあんまり聞いてらんないんだけど、てっぺいちゃんも軽くいなしていて大人になったんだなあこの人って苦笑しました。まあ会場も狭いし、普通のライブの客とも違うし、無視するわけにもいかなかったんだろうなあ…。
そしてついにMATA(C)TANA初披露！楽しすぎて我を忘れたよ。この曲のときがいちばん現実味薄かったなあ…。それこそ夢見てるみたいだった。Cメロで浪曲調にてっぺいちゃんが歌うところがあるんだけど、ずっとわたしの方に背を向けて歌ってたわけ。で、次のサビに入る直前のブレイクで突然こっちを振り向いて、サングラスかけてるから目が合ってるわけないんだけど、ホントにこっちを急に見るワケよ。わたし、狼狽してしまってねえ…石化って、こういうこと言うんだって思ったね。思わず小さく「ヒィッ」って言ったもん。まだ瞼の裏に残像（ちょうかっこいい）が残ってるよ…。こんなに終わるのがさみしいって思った曲もない。「秋のツアーで待ってるぜ」と言い残して去っていった彼ら。ああ…あんなに待たされたのに収録なんてあっという間だよ…。はけようとすると他のメンバーに止められて、結局最後にはけるハメになった得ちゃんが面白かった。どこまでも彼はこういうポジションなのねー。
エンディングトークのために再び現れた米。エンディングトークの部屋みたいのがまた別にあって、そこの後ろの窓から客席が見えるようになってるんだけど、そこから扇子振ってサービスしてくれるてっぺいちゃん。泣きたくなるくらいうれしい。このエンディングトークの画が最高におかしいので、オンエアでチェケラしてください。モニターを見ながら笑いをこらえるのに必死でした。
ああ、終わっちゃった。みんな行っちゃった。本当にあっという間だった。最後はこのセットと客を被写体に、番組のポスター撮りをするとのこと。準備待ちのときにディレクターが「他局ですが昔『アンモナイト』*2という番組を担当していまして…」と告白。マージーでー！「竜兄*3のマニアックさにはついていけません。僕がもっと言いなりにならず押しが強かったら番組がもっと続いてたかもしれません…」と笑いを取り、間が持たなくなると突然君いるを歌い出したりする面白いディレクターでした。この番組で久々の再会なんだってさ。いろんなものが巡ってるんだねえ…。そして盛り上がってる様子をポスターにしたいとのことで、MATA(C)TANAとShake Hip!をかけられて何度も踊るわたしたち。「もういいんじゃないの？」と小さく愚痴りながらもしっかり踊ってしまう悲しい性…。「はい、オッケーです」の声で本日の収録すべて終了、当初18時解散予定と書いてあったのでこの調子じゃ絶対伸びるなーと思っていたら、17時半すぎには解放されるというすごいスケジュール。でもいいの、待たされた甲斐は十分にあったから。
なんていえばいいんだろう。９年がここで一気に埋まったわけですよ。しかもライブなんかよりよっぽど至近距離で。頭が現実に追いつかないわけ。９年前でもそんな近くで観たことないのに、９年ぶりでいきなりアハ体験（違）。しかももっと曲数あれば再会の喜びを体中で噛みしめて涙のひとつもこぼれるかもしれないけど、テレビだからあっという間に終わっちゃうわけ。「わわわわわ」って混乱してるうちに「サンキュー！」つって帰っちゃうわけ。わけわかんないでしょう。夢みたいだって思っても無理ないでしょう。たぶんわたし、ずっと口開きっぱなしだったと思う。実感、ゼロなわけ。でも、楽しかったっていう記憶だけはイヤってほどカラダ中に残ってる。
余談ですが、わたしの前にいたお客さんの尻ポケにミニタオルが入っててね。ふと見たら赤い字で「札所」って見えるワケよ。こ、これは…！どうでしょうの四国八十八カ所タオルではありませんか…！ものすごく話しかけたかったけど、不審すぎる上にもし「これですか？もらいものなのでよくしらないんです」って言われたらどうしようと怯えて話しかけられませんでした。ちゃんちゃん。
