となりの芝生は赤い

コムラプラスとなりの芝生は赤い」@「劇」小劇場
出演:小村裕次郎市川しんぺー

下北最後の砦、「劇」小劇場に足を踏み入れて下北芝居小屋全制覇。きれいでこぢんまりとしてて、すごく居心地のいい空間だった。開演15分前に会場に入ったら客がちょうまばらで不安になったけど、そのうちほぼ満席になってひと安心。よかったよかった。

そうか、小村さんは元猫ニャーでしんぺーさんは猫のホテル。猫つながり!キャッツ!キャッツ!(お喜び)

MHK大阪放送局制作の朝ドラを執筆することになった脚本家(市川)と、上司と脚本家との折衝役になった局のデスク(小村)。ふたりがいろんなしがらみをくぐり抜けてぶつかり合い、意気投合し、奇妙な友情を育んでいく物語。

しがらみの中でどれだけ自分が納得できるものを作れるか。プライドを曲げたくない脚本家と、大人の事情と作家のプライドに挟まれて胃を痛め、作家は言われたとおりに書けばいいんだと思っていたデスクが「おもしろいものをつくる」という一点を目指して力を合わせていく。

マスコミという巨大な世界の中で、一生懸命しがらみと戦いながらエンターテイメントを作り上げているあの人やあの人やあの人の顔が思い浮かんで、心がじんわり熱くなった。

驚きも爆笑も銃声も、刺激的な部分はこれといってなかったけれど、いいお芝居を観たなあとすごくピュアな気持ちになれた次第。あと、ノッポとデブのコントラストがすてきでした。しんぺーさんの脱ぎキャラっぷりも見事でした。あれはもう芸の域に達してるな。