流れ姉妹

身も心も 第一章「流れ姉妹」〜たつことかつこ〜@青山円形劇場
作:千葉雅子 演出:河原雅彦
出演:河原雅彦千葉雅子村岡希美坂田聡粟根まこと小林顕作/政岡泰志/伊達暁/信川清順/松重豊

異常に面白かった。

開演前のアナウンスの声がやけに艶っぽい。これは…!?とチラシを見たら

ナレーション協力:池田成志/廣川三憲

な、な、なるしー!道理で!道理で!(泡くって何も言えない)
つかみはオッケー、しかも、

殺陣・アクション指導:田尻茂一/川原正嗣/前田悟

し、し、新感線…!つかみダブルオッケー!!(滝涙)
(どうでもいいけど「しどう」って打つと最初に「士道」が出てくるうちの漢パソコン)
とにかくわたしにとってはキャストから何からすべてがツボの「身も心も」。それがあーた、円形というせまーいスペースで観られるんですから。中身がどっちらけでも役者を近くで観られればいいやーなんて低い志で臨みましたら。
おもしろすぎ。
場末感全開の千葉ワールドに、マンガチックなまちゃぴこの小粋な演出が光る!なるしーのナレーションをバックに流れるベタベタの映像も気が利いてるよな!コバケン、伊達ちん、政岡さんという小劇場のエースがちっちゃい役で入れ替わり立ち替わり小芝居を打っていくのもすーごい楽しかったし、(信川さんはENBUゼミで河原ゼミにいた人らしい!お上手だった!)とにかくもう、粟根さんと松重さんが手を伸ばせば届きそうなところにいて、なんか、すごく、ドキドキしちった。あまりにかっこよすぎて正視できましぇんでした。
あー、もうそれぞれの役があまりにもドツボでたまらん!最近いろんな劇団の人が集まっていろいろやってるけど、近年まれに見るくらいすばらしい化学変化を起こしておりました。
小劇場系大衆演劇、めざせ「放浪記」!な志で、ゲストレイパーとゲストラバーを毎回迎えて年1回上演していくそうなので、これはもうなんとしても見続けていかねばなるまい。笑いのスパイスがききすぎててたまに物語を見失いがちになるけど、どうしようもないくらいに業の深い世界観がたまらない。猫ホテだとそれがちょっと煮詰まりすぎて見えるところもあるんだけど、演出と出演者のおかげで少しライトになってて見やすいし。
あとは役者雑感。
・村岡さん……あいかわらず細いねえー。体を張った陵辱シーンもおみごと。アナウンサーみたいな声がだいすき。
・千葉さん……この人も細いよ…。闘牛に乗って暴れるところと、松重さんに抱え上げられてポーズ取るところが最高。妹とのいがみ合いがリアルすぎますよ…。
・坂ちゃん……わー!坂ちゃん!この人のダメっぽい芝居がすごく好き。わたしの好きな坂ちゃんをストレートに演じてくれてた。
・まちゃぴこ……出演しないとなぜか思いこんでいたので出てきてどびっくり。元ヤクザという設定とうらびれた感じがドンピシャ!冒頭の着流し姿にちょっときゅんとしちった☆
・コバケン……最近宇宙レコード観てないからすごくひさしぶりに見た!さすが小劇場界のキムタクってよばれてる(笑)だけあってアイドルフェイスはご健在。三線弾く理由のくだり、すごくいい芝居で、ああこの人役者だった…!と思い出す失礼なわたくし。
・政岡さん……どこがって聞かれるとアレだけど、雰囲気がもう全体的に面白い。かつこの格好して当てぶりやるところなんて最高。お腹よじれるかと思った。
・伊達ちん……最近すごくよく見てる気がする…。明らかに似合わない女装がすてきでした。あと、メガネにスーツという出で立ちに軽く撃ち抜かれた単純なわたしをぶってくださいグレッチで。
・粟根さん……こ、こんな近くに粟根さんが…!偏屈な性格とか乱暴するときに脱いだゲタをそろえてメガネ外すシーンとかにツボをぐいぐい押されまくり!きゃあきゃあ☆
・松重さん……こ、こんな近くに松重さんが…!(パート2)つか、マジでデカいよこの人!そびえ立ってる感じだった。この人の芝居がいちばんステキだったなあ…。まっすぐな性格なんだけどどっかとぼけてて、淡々と過去を語るところとか。感情を滲ませてるわけじゃないんだけど、すごく伝わってくるものがありました。関係ないけどチラシの「今後の予定」欄、松重さんだけ映画とTVばっかりで、しかも役名が「服部半蔵」「岡谷以蔵」「中村源蔵」って全部「蔵」…。確かに「なんとか蔵」ってイメージはあるけれども!ゲラゲラ!
なにがうれしいってさ。
わたしの好きなあの俳優さんと、わたしの好きなあの俳優さんが一緒の舞台の上でからんでる!っていうのを実感した瞬間。演劇界ってどこまで横のつながりがあるかわからないから、こうやって思いがけない名前が上がってくるとすごくうれしいんだよなあ。次回のゲストがちょう気になる!なるしーもナレーションだけじゃなくって出演してよ!