ゆうきまさみ展をふりかえる

去年の12月からついこなだまで渋谷パルコでやってたデビュー30周年展。わたしのotk人生の始まりでもあり、人格形成の基盤ともなった(おおげさ)漫画家なので、行かないなんて選択肢はないのだ!しかも原画の展示が期間によって変わるというので、あ〜るとパトレイバーのときにむりくり時間作って2回行ってやったった!

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)

究極超人あ~る (1) (小学館文庫)

展示されてたあ〜るの原画は1巻の冒頭、凶暴なウサギと鳥坂先輩が戦って、湖からあ〜るくんが出てくるところ。文字で説明するとなんのこっちゃわからんな。さすがに色は経年変化が見られるけど、やっぱり勢いは衰えないなあとしみじみ思う。あんな漫画読んだの生まれて初めてだったのに、すっとのめり込んでいけたのが今思うと不思議だ。「韜晦」って言葉を知ったのもこれがきっかけだし、よく友達と「生まれ変わったんだ!ピクニックだ!」とか「いるかの曲芸部」とか無意味に言い合っては盛り上がっていたよ。ちなみに別館の「医者はどこだ」ってタイトルもあ〜るが由来でございますよ。いまだに定期的に読み返したくなる漫画。サッカーの岡ちゃんは鴨池にくりそつだよね。
機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)

機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)

パトレイバーの展示原稿は野明がグリフォンと初めて戦うところ。いい!実にいいシーン!!パトに関しては想いがあふれすぎて本当にotkのマシンガントークみたいになってしまうので自重します。ただ、黒崎ワンショットの画が2点も展示されていたという驚きと喜びを全世界に発信したい…!遊馬とか後藤隊長とかとは違うベクトルで本気で好きになった人でした。あんなにあからさまなドエスキャラを好きになったのは後にも先にもあれが最後だったけど…。わたしの愛する人遍歴は後藤→年相応に遊馬→やっぱり隊長おおお!という行ったり来たりを繰り返してたんですけど、やっぱり劇場版観ちゃうとどうしたってエルオーブイイーGO・TO・U!になっちゃうのはしょうがないよね。しのぶさんとの大人の関係性というか、部下はみんな無邪気なのに中間管理職がやたらえろいっていう…。はっ!気づけばotkのマシンガントークになっていましたすいません。とりあえず公開当時高校生だったわたしにはまったくイミフだった劇場版2作目が、年を重ねた今パトのシリーズでいちばん好きになっているという現実が、あの作品の奥深さを象徴していると思います。ああでも1作目のエホバに関する一連のセリフ群もしびれるんだよなあ…!とにかく松井さんと後藤さんの会話がたまらんよね!
自分参考リンク:劇場版パトレイバー全セリフ集
「東京」という都市を一貫して描いているパトレイバーにこんなにも心酔してしまうのは、わたしが東京という街から出たことがなく、放つ光が強いぶん濃い闇を内包する都市の不可視性という部分にひどく共感しているからなんじゃないかと今ふと思った。難しい言葉を使いたい年頃なんですごめんあさーせ!
そして30周年おめでとうイラストの数々。志村貴子のあ〜るくんが色っぽすぎてさすが!と思いました。まりいと鴨池を添えるあたり本気が垣間見えて大変すばらしかったです。それから荒川弘のアルフォンス!下にちっちゃくアルがいてWアルフォンス!しゃれてる!!藤田和日郎もアルフォンスの上にとらを乗せてて大変にかわゆすでした。それから灰原薬さん(よく知らないのでいきなりさん付け)の後藤&しのぶがステキすぎてハアハアしたので、この方の漫画を今度借りて読んでみようと思います。プラテネスの幸村さんのあ〜るが似すぎててたまげる、新谷かおるはコミックス版のあ〜る読んでないとわからないまのちゃんネタ、出渕さんは本気のイングラム!とまあキリがないよね。何度も見返したいからパンフレットとか出してほしいよ…!
野明にあこがれ、後藤さんの大人の色気にくらくらし、遊馬とデートする夢を見るようなotk全開の中学時代を送ったわけですが、なんてことないきっかけで出会った漫画がここまでわたしの根幹に根ざすようになるとは思いませんでした。自分の嗅覚の鋭さにノーベル賞贈呈!ゆうきさんにはずーっと健康でずーっと元気な漫画描いててほしいです!