Smile

マディソン・スクエア・ガーデンでやったマイコー30周年ライヴを観ていた。
マイコーがちいさなトランク片手にステージに出てきて、そこから腕章付きスパンコールジャケットを出して羽織ると、ありえないほど盛り上がる観客。続けて白い手袋をはめると、さらに会場は熱狂の渦に。そしてはじまるビリー・ジーン。
つながった、と思った。
追悼式でマイコーがいちばん愛した歌はチャップリンの「スマイル」だということを知ったとき、わたしはなぜか鳥肌が立って思わず涙ぐんでしまったのだけど、今やっとその理由がはっきりとわかった。マイコーのジャケットはチャップリンの燕尾服であり、手袋は杖だったのだ。全世界共通の記号になってしまい、家庭に恵まれず、幼少の頃からステージの上で、スクリーンの中で、愛と希望をふりまくことを運命付けられたふたりの、なんと似通っていることか。
天国でチャップリンマイコームーンウォーク教えてもらってたら面白いのにってふと思ったら、また泣けた。