さよならKING OF POP
朝起きたら、マイコーがこの世の人ではなくなっていた。
よくできたドッキリかと思った。デーブがあのうねうねしたアタマで「ラストツアーを目前にこんなシャレにならないドッキリ報道があったんですよー」なんて言い出すんじゃないかと、10分くらい本気で待ってしまった。
マイコーはスーパースターすぎて、そして特に白い人になってしまったあたりから、あまり生身の人間じゃないような気がしてならなかった。歌手だって忘れそうなほど歌を歌っていなかったし、いつも変なゴシップでしか取り上げられなくなっていたから、わたしの中ではすっかり過去の人だった。ベストアルバムも持っていて曲も大好きで、その偉業もわかっちゃいるんだけど、マイコーはマネされる人であり、一種の象徴であり、全世界共通の記号だった。今の時代を生きているという感じがまったくしなくて、気が遠くなるくらい大金持ちになると不幸になるんだという典型的な姿を目の当たりにして、気の毒にしかならなくなっていた。
でも実際もうこの世にいないとなると、急に喪失感がやってくる。
死なない人だと思っていたのだ。なんとなく。
仕事からへとへとになって帰ってきたら朝の番組がそのままのセットでやっていて、あのなんにでも一家言あるあの人が司会をしていて、画面の左上にはずっと「なぜマイケルは死んだのか」というテロップが出続けていて、なんだかひどく昭和を感じさせた。誰も出てこなくていい、ただライブ映像やPVを1時間流すだけでいいのに、なぜこうやってみんな語りたがるんだ。ゴシップ振り返ったってちっとも追悼の気持ちになんないよ。ただマイコーの歌がそこにあれば、何もいらないはずなのに。
清志郎が逝って、マイコーが逝ってしまった。ひとつの時代を築いた人が、なんだかみんな逝ってしまう。そのあとMステスペシャルで何度も出てきたサザンの映像を見ながら、お願いだからくわっちょはカラダに気をつけてと祈ってしまった。
インタビューされたマイコーファンの男性が「マイケルと同じ時代にいられてよかったです」と語っていた。そのひとことに尽きると思った。すべてのできごとがいちばん華やかに動いていた時代、あの人がいちばん輝いていた時代を、わたしは小さかったけれど知っている。よかった。間に合ってよかったと思った。
天国でフェスやったらものすごいことになるね。マイコーとひばりちゃんの共演とか豪華すぎる!!清志郎なんてひよっこだね。ローディー並みだね。どんどんこっちの音楽がさみしいことになるから、神様もうそろそろ引き抜くのやめてくんないかな。
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いくらいろんなゴシップにまみれても、みんなマイコーの曲がだいすきだったってこと、マイコーには届いてたかな。届いてたらいいな。