いっそひと思いに

Sing

Sing

フラゲしていたのに、やっと今日聴いた。バインだけは昔から腰を落ち着けて聴かないと居心地が悪い。歩きながら初聴きというのは、なんだか自分の中で許されない。
雨の降りしきる、ひとりの部屋。なんという絶好のシチュエーションだろう。あまりにしっくりきすぎて、少し目眩を起こしそうだ。聴くたびに肌になじんでゆく音は、ゆっくりとわたしの体内に浸透していく。わたしがまだ、スキューバをやっていたころの記憶がよみがえる。水底に仰向けになり、流れに身を任せてたゆたうのが好きだった。はるか頭上の水面に射す光をぼんやりと見つめるのが好きだった。あのときの気持ちと似ている。手の届かないところにある光の気配を感じながら、自分の吐き出す息が作り出す泡の音を聞きながら、ゆっくりと目を閉じる。ずっとこうしていたいけれど、そのうちタンクの空気は尽きてしまう。死と快感は紙一重。ああ、早く泳ぎ出さないと……。
バインの音には性的にくすぐられる部分がある。田中のエロいボーカルを聴いていると、視姦されているような気分になる。直接的なエロスではないところが厄介で、わたしはひどく悶々とする。やるならやれ!と思う。でも絶対にさわってくれるはずなんてなくて、さらに脳がしびれたようになる。結果、こんなヘンタイ的な文章を書いてしまう。しかし当の本人はどこ吹く風で、今ウィキみたら「田中の最近の趣味はしいたけ栽培で、日々霧吹きをかけるのが楽しみ」って書いてあってorzとなるかわいそうなピヨ丸。あんななのにいいパパだなんて、ほんとうにむかつくったらありゃしないよ。あーあ、こんな男に思いっきり遊ばれたいなー。