姓が「薮原」名が「検校」

だと思ってました、この芝居観るまで。違うのね、盲目の人がお金を積んで得られる最高位が「検校」という位なのね。勉強になりました。

薮原検校@シアターコクーン
作:井上ひさし/演出:蜷川幸雄/音楽:宇崎竜童
出演:古田新太、田中裕子、段田安則六平直政、梅沢昌代、山本龍二、神保共子、松田洋治景山仁美、壤 晴彦

おととい観に行ってきましたよ。
なんだろう、この全体に漂う微妙なゆるさは……。希代の大悪党の話っていうから、もっと張り詰めた感じなのかと思いきや割とコミカルな仕上がりに。観に行くまで音楽劇だとは露知らず、テーマもあいまって、天保十二年のシェイクスピアをちょっと地味にした印象でした。すべての伴奏と効果音を生ギターでやるんだけど、これが味にもなっている反面、やっぱり歌のシーンになっちゃうとアコギ1本だとちと寂しい。なんかねー、どこがダメとは言わないけど、とにかくもうちょっと頑張れたはずだよ蜷川さん!と思ってしまった。役者も粒ぞろいだし(特に語り部の壤さんはすごかった!)古田も15分くらいのひとり浄瑠璃(?)みたいな見せ場があったし、笑いどころも多くて3時間超がそんなに苦痛でもなかったし、だけどとにかく伝わってくるものがないのさ。とにかくゆるい。最後の大仕掛けもよく作ったなあと思うけど、そんだけ。悪人ゆえの葛藤や裏切られた女の悲哀的なものもなく、なんだか絵空事をなぞっただけの紙芝居みたいだった。それが狙いだったんならこの芝居は成功してるんだろうけど……。
古田の仕事量も思ったほどではなく。あんなんだったら全然終演後に飲みにいけるよ。3時間超の芝居で7時開演ておかしいと思ったんだよなあ。*1田中裕子も体当たりで色っぽくてステキだったけど、あんな贅沢な使い方もったいナス! それと最後、段田さんが将軍に進言するシーン、ちょっとぐっと来たけどあそこも惜しいんだよ!もっとぐっとさせられたはずなのに〜!ってハンカチキーッ!な気分でした。
この日は客席がちょう豪華!わたしの斜め前に宮沢りえちゃんと戸田恵子さん。りえちゃんちょう顔ちっちゃ!ちょう美人!ていうか細!内心大騒ぎ。そして前のブロックには、なななんとヤクルト・古田監督が夫婦で!*2やーん、こっちの古田はちょうかっこいい!(ぽわわ〜ん)今日は試合のない日なのね…と、すっかり最愛チームにもごぶさたのわたし、ホント激励しに行きたかったよ!舞台上より客席にときめきっぱなしの火曜日でした。

*1:たいてい新感線の芝居は6時半とかヘタすりゃ6時開演

*2:W古田でちょう仲がいいらしいよ