folkdance with him

いつだったろうか、まだコンビが健在だった頃の話だ。コンビは健在だったけれど、もうあまり名前を聞かなくなっていた頃だ。センター街の片隅に撮影班らしき人影。カメラの前に立つ若い男性がふたり。誰?歩く足を止めず振り向きざま目を凝らしたら、わたしが大好きだったあのコンビだった。
「成子坂だよ!」
連れ立っていた友達に声を弾ませて伝えるも、彼女は曖昧な笑顔で首を傾げるだけだった。わたしの興奮は宙に浮いて霧散してしまったけれど、まだふたりで仕事してたんだ、なんて失礼なことを思いながらそれでも胸が高鳴った。あのふたりが並んでいる画を見ただけで、かつてブラウン管を微熱気味に見つめていた頃の気持ちがよみがえってきたからだ。
解散は、本当に悲しかった。ひとりでお笑いを続けている彼を見るのも悲しかった。彼のそばにいなくちゃいけない人の影がちらついて、悲しさばかりが先に立った。そしてわたしは去年彼がコンビを組んだことも知らなかった。それほどわたしにとって成子坂は、遠い存在になってしまっていた。
でも、急に引き戻された。首根っこを掴まれて、強引に引き戻された。
http://www.sanspo.com/sokuho/1113sokuho023.html
35って、なんだよそれ。なんでみんなクモ膜下でしんじゃうの。wikiによると、桶田さんは今お笑い塾の講師やってるそうだ。お笑いの世界に帰ってきたらしいのだ。もしかしたら、あの伝説のコンビが見られたかもしれなかったのに。
GAHAHAキングという番組を毎週欠かさず観ていました。成子坂は無敵で、優勝しても泰然自若としたその佇まいに心からしびれました。あんなに好きだったのになんで録ってないんだろう。村田さん扮する幼稚園児を桶田さんの誘拐犯が誘拐するっていうネタが大好きでした。まだ幼稚園児の格好した村田さんの姿が脳裏に焼き付いてるよ。笑いすぎて死ぬかと思った。本当に大好きだったんだよ。
ああ、かなしいなあ。