MYTH

「MYTH」@青山円形劇場
脚本・演出:鈴木勝秀
出演:佐藤アツヒロ篠井英介、陰山 泰、中山祐一朗

観てきました。最前列で。

ニャカヤマを円形で…!と目をギラつかせて必要以上の気合いでチケット取ったら最前列でした。気合い入れすぎ。あと相変わらず20年近く前は雲の上の人であったあっくんがこんな近くで…リターンズですよ。しかもニャカヤマは開演後しばらく舞台から下りて目の前を行ったり来たりしてたのでめちゃめちゃドッキンチョしてしまい、おかげで話に集中出来なかったよ…!返して!わたしのハートを返して!
…普通に書きます。スズカツさんは「欲望という名の電車」以来。実は初心者に近い。何がスズカツテイストなのかも知らぬまま赴いたんだけど、これがまた地味ながらも胸がキュッとする素晴らしい芝居だった。個人的に好きなテーマ、好きなテイストの内容だったってのもあるけど。生者は白、死者は黒の衣装も伏線もわかりやすかったけど、そのストレートさがかえってよかったのかもしれない。派手な動きのない会話劇なので相当セリフに集中してなきゃならんかったけど、役者の力量がそれを可能にしてくれた。あっくんは行き場のない閉塞感や苛立ちを素直に表現してたし、篠井さんの佇まいには圧倒的なものがあったし、陰山さんはもう言うことない流暢さだし、そしてニャカヤマが素晴らしかった。peatさん*1も書いてらっしゃったけど、1回死んだ後の壊れた蓄音機みたいなセリフの再生が圧倒的だった。この人は正気と狂気の壁をこんなにも軽々と飛び越えてしまう、飛び越えた素振りすら見せずに。すごい。そしてまた途中で死ぬ役だった*2…前も書いたけど、この人最後まで生きてることの方が少ないんじゃないか。
ホントはあっくんファンの上司と行くはずだったのが急遽彼女の都合が悪くなり母親を同行させたのだが、「分身の人うまかったわね!」とニャカヤマを大絶賛。毎週火曜欠かさずわたしと共にサラリーマンneo観てるにもかかわらず「なんて名前の人?」と問うので「中山さんだよ!サラリーマンneoに出てる!」と言ってもピンと来ず。おいおいおい。しかしわたしも上機嫌で「いいでしょ〜。もう大好きなんだ」と自慢するとなぜか下の名前を問う母。「祐一朗です」と、これまたなぜか恥じらいながら答える娘。何プレイだよ…!?
セリフには何度もドキリとさせられる瞬間があった。でもトリアタマなわたしはすぐに忘れてしまうから、戯曲が読みたいと思った。細かいところまでは覚えてないけど、いちばん心に残ったのはこのセリフ。

「人生はローンを返済するようなものです。だって、生まれたときにすべて与えられてるじゃないですか」

上演時間、1時間35分。このくらいがちょうどいい。濃密すぎるから。円形劇場でひさびさに当たりが出ましたよ…!*3

*1:id:peat

*2:最初から死んでるけど

*3:ここ最近ハズレが多いらしい…よ…