服がない

街ゆく人がおしゃれだ。
最近とんと繁華街に出ていないので、買い物をしていない。というか「チケット・CD・DVD・趣味>>>>>>おしゃれ」という女子としてどうなの的な構図がだいぶ前から出来上がっているために、街に出てもまずおしゃれ売り場には近寄らないようにしている。うかつに近寄ると、買ってしまうからだ。
街ゆく人がブーツを履いている。
うらやましいと思う。いつもスニーカーでだらだら歩いているわたしは、そういうのを買えば足元がぴりりと引き締まるんではないかと思う。中途半端な丈のしか持ってない(しかも2足も)ので、いつ履けばいいのかと戸惑っているうちに冬が終わっていく。
ジーパン以外のパンツがほしい。あと、ブーツカットじゃないジーパンがほしい。ちょっとふりっとしたチュニックかなんかを合わせて、「女の子っていいよね」と悦に入りたい。
そう思って、突発的に通販サイトを巡る。
それがいけないんじゃないかと思う。パソを捨てよ、町に出よう。わかってるさそんなこと。でもわたしは決断力がない上に飽き性なので、足を棒のようにしておしゃれ店巡りをするのが苦手なのだ。そんなことしてるくらいなら、山と積まれたこのDVDを切り崩していたいと思ってしまうのだ。
女子としての大事な部分がことごとく欠けているんじゃないか。先日のけむぞうさんを囲む会でも、みんなとてもおしゃれで可愛らしかった。ひとりジーパン+ズダ袋な装いで汗をかきながら肉を食らっていたわたしは、本当に醜かっただろうと思うのだ。だって首には凝り解消のためのファイテン的なネックレス。おっさんかお前は。
自省の念は常に持ちつつも改善しようとはしない。町へ出れば本屋行ってタワレコ行って、ああ疲れたと帰ってきては寝ころんでだらだらとDVDを見ながらワハハと笑うのだ。
専属のスタイリストがいればいいのに、と毎朝タンスを前にうんざりするわたし。タラレバでは女子力は上がらない。タラもレバーも好きだけどな。……うん、話にオチがつかないからって無理はするんじゃねえぞ。