キングオブコメディ単独ライブ「ボッキ」@シアターブラッツ

初単独にして前売りが20分で完売という脅威の新人。発売開始10分の時点で最終回が取れなかったのには愕然としましたよ。ロッピーの前で口あんぐり。めちゃくちゃ焦りまくりながら昼の部をようやくゲット…ああおどろいた。
オンエアバトルで衝撃を受けて以来、今か今かと待ちつづけていた単独。しかも芸人の初単独なんて観るの初めてだから、嬉しさ半分ドキドキ半分。キングがどこまで伸びるかわかんないけど、「ワタシ初単独見たんだー」って自慢できるくらいになったら嬉しいな。でもさみしいな。開演直前にアルファルファ豊本さんとアンジャッシュ児島さんが。事務所の先輩が見てるぞー。がんばれー。
舞台の上にはミロのヴィーナスみたいな半裸の女の人の石膏が。ここが公演タイトルにつながってるの?(笑)しかし暗転とともにはけられてしまう…意味ないんかい!

<本屋>
立ち読みしながら笑っている客(今野)に、店員(高橋)がはたきで立ち読みを止めさせようとするが…
基本的にはセリフなしでどんどんエスカレートしていくバトルが面白い。しまいには竹刀でばしばし今野君を叩き始める高橋さん。それでも返り討ちに合って倒されてしまう…うめきながらひとこと「始まったばかりなのに…」本を放り投げてる間に高橋さんと戦う今野君がおかしすぎ(笑)

オープニングV。おしゃれな感じで。でも今野君が映るとなぜか湧く客席。やっぱ高橋さん好きだー。

<子ども電話相談室>
ラジオでおなじみ子ども電話相談室。相談員の今野と、そこに電話をかけてきた中1の高橋。彼の悩みは背が伸びないことだというが…。
受話器を手にしたふたりが並んでやり取りをする会話コントなのだが、こういうのこそキングの醍醐味だと思う。とにかくいちいちおかしい。文字にするとおかしさが半減するのがせつない。

今野「踊ってる?」
高橋「いえ、佇んでます」

高橋「僕マイケル・ジョーダンに憧れてバスケやってるんですけど、全然背が伸びなくて。どうすれば背が伸びるんでしょう」
今野「今の話から察するに、君はバスケをやってるんだね」
高橋「言いました。バスケやってるって言いました」
今野「バレーボールやったら?」
高橋「いや、マイケル・ジョーダンになりたいので」
今野「大林は?大林はダメか?」
高橋「だからマイケル・ジョーダンが…」
今野「谷は?」
高橋「勇気があります。…ていうかそこでなんで谷が選ばれたんですか」

今野「ご両親の身長はどのくらいなの?」
高橋「お父さんが190…で、お母さんが2メートル…3?4?」
今野「君は実の子なの?」
高橋「それは絶対そうだっていつも言われてます!すごく言われてます!」
今野「君の血液型は?」
高橋「そういうのは調べなくていいって言われてます」
そんな彼には信一という弟と信子という妹がいるそうです。でも彼自身の名前は諦める夫と書いて「諦夫」。弟たちからは「実の兄ちゃん」と呼ばれてるそう…(笑)。このネタはもう腹抱える勢いで笑いました。全部キングらしいネタだけど、特にキングの特徴がよく出てたネタだと思う。

突然キレる今野さんに「…不安定ですか」って冷静につっこむ高橋さんとか…もう好きで好きでたまらないキングワールド炸裂。

VTR<今野君とデート>
エ、エレキの単独でやってたのと全く同じ企画だ!彼女目線のカメラで今野君とバーチャルデートをするという企画。舞台は富士急ハイランド。チケットを買わずに入場しようとし、「チケットがないと入れないのかー。チケット買わないといけないのかー」とごねはじめたり、「何乗ろうか?」って言ったくせに返答を待たずひとりで走り出したり(しかも内股で全力疾走)、FUJIYAMAに乗りながら携帯でメールしてたり、「のど渇いちゃった」という彼女に「あそこに自販機があるから買ってくれば」と言い、飲み物を買った彼女に「ちょっとちょうだい」って言ったかと思えばむせながら一気飲み、しかもひとこと「足りねえー!」
…もう今野君たら☆って感じのVでございました(笑)。個人的には観覧車に乗ったとき、どこで仕入れたのか韓国ネタを大まじめに説明していた今野君にツボりました。

<ママとひろくん>
ちょっと知恵遅れ気味のひろくん(今野)に、ママ(高橋)がはじめてひとりでおつかいをさせようとする。ひろくんはよしこちゃんという裸の人形(笑)で遊んでいるのだが、首を外してぶんなげたりと暴力的(笑)。ママは鶏肉と牛乳を買ってきて欲しいと頼む。

高橋「ひろくん、鶏肉はどこで買うの?ママいつもどこで買ってる?」
今野「シャネル!」
高橋「バカにされる」
高橋「お肉屋さんに着きました。お店の人になんて言うんだっけ?」
今野「…逃げてください」

…高橋さん、一応スカートとそろいの色のカーディガンを着てるんだけど、靴下そのまんまだし女装しようという意欲が感じられない(笑)。今野君の、予想だにしない返答の連続にどっかんどっかん笑ってしまう。今回の中ではいちばん好きなネタかも。

VTR<ひろくんのはじめてのおつかい>
まさか、と思ったらやってくれちゃいました。ひろくんがよしこちゃんを握り締めたまま街に繰り出してしまうのでした。銀座のシャネルが映ったときには戦慄したよー。休みでよかった(笑)私、こういうパンピー巻き込み型のってドキドキしちゃって苦手なんだよねー。上野動物園に行って象の檻の前で「鶏肉ください」って叫んでまわりの人がギョッとしてたり、ふれあい動物園の羊に「鶏肉ください」って言っても隣にいた人が動じなかったり…反応も人によってさまざま。いやはや今野君、すごいです。極めつけ、商店街の肉屋に行って本当に「逃げてください」って言っちゃうのよー。それでも「何にしましょう?」って聞き返して動じない店員さんがすごかった(笑)
しかし最後に出たテロップはいいのか…実際にある店なのに…「無免許だよ!」とか言われてたんですけど…よしだ精肉店…。

<今野君の入院>
クラスの嫌われ者、今野が入院した。誰もお見舞いに行かないからしょうがなくお見舞いに行くことになった高橋。今野の病気とは一体…。

高橋「何の病気なんだよ」
今野「視力が落ちた」
高橋「落ちたってどのくらい落ちたんだよ」
今野「左が0.8で右が…1.2」
高橋「今すぐ退院しよう。ベッドが足りないんだよ」

前は高橋さんが難病の子供をやってたので、明転して今野君がベッドの上に座ってたのを見たとき「おっ」と思いました。面白かったけど、前2つに比べちゃうとちょっとダレ気味。

VTR<高橋さんと散歩>
デートの高橋さん版。きゃー嬉しいーと思ってたら、高橋さん、海パンいっちょで首輪つけて、四つん這いで散歩してました(笑)。ちぇ。この寒空の中32才、何やってんだか…(笑)えさもらったり投げられたボールを二足歩行(笑)で取りに行ったり。ふてくされた感じであぐらかいてる高橋さんがステキ。

<パネルクイズほくろアタック25
アタック25」のテーマソングが流れる。クイズの回答者(ラバーガール)がふたり、頭にハテナ帽子(ウルトラクイズでかぶるやつ)をかぶって回答者席に着いている。隣にはエマニュエル夫人でおなじみの(笑)籐のどでかい椅子に座って、ジャージ姿で葉巻をふかしているアシスタント(今野)。
司会者(高橋・児玉清?笑)が出すクイズに早押しボタンを押す回答者。しかしそのボタンで頭のハテナが起き上がるわけではなく、アシスタントがいちいち立って手で起こすのだった(笑)…しかもアシスタントのひいきあり(笑)。正解するとパネル(今野君の顔)にほくろを入れられる(ていうか今野君が自分で書く)のだが、それが本家みたいに連鎖する。どんな法則か知らないけど、すごい勢いで点が書き込まれる今野君の顔……。目の周りを重点的に点が覆っていて、高橋「メガネゲット!あと無精髭も」
最後はアシスタントが思いっきりひいきして、ボタンを必死に叩いている回答者を無視して叩いてない方の回答者のハテナを起こしまくる始末。今野君のキャラありきのコントでした。てか葉巻って…ありえない…(笑)

<変な顔道場>
高橋は変な顔道場に弟子入りして1年になるのにちっとも変な顔が上達しない。師匠(今野)に怒られながら指導を仰ぐことになったが…。
今野君の変な顔を堪能するコント。でも必死に変な顔をしようとする高橋さんの顔の方が微笑ましくて笑っちゃった。

VTR<師匠の変な顔コレクション>
今野君の変な顔スライドが連続で出てくる。でももっと面白い顔の人(日村さん、やっつんなど)を知ってるので、いまいちパンチがききませんでした。

<万引き>
万引き少年(今野)が本屋の店員(高橋)に連れてこられる。万引きしたのはテレビジョン(笑)ふてくされる少年に店員が連絡先を聞きだそうとする。高橋さんの説教がらしくて感心。

高橋「君が連絡先言わないんなら警察に電話するぞ。それでもいいのか」
今野「警察の番号知ってんのかよ」
高橋「3ケタだからな」

店員は少年に電話番号を書きなさいと筆記用具を渡すが、だらだらした姿勢になって変な絵とかばっかり書き始める。店員は怒ってその紙を破り、客席に投げつける。最初は特に標的もいなかったようだが、だんだんいちばん前に座っていたスタッフめがけて投げつけるようになる(笑)。オチはなんだか「んなわけないだろ!」なムリヤリ感ただよってましたが、それもまたご愛嬌。

<Y談>
舞台にはさっきの石膏、それを挟んでふたりがそれぞれ辞書を片手に足を組んで座っている。ピンクの照明。
タイトル通り、やらしげな言葉(でも直球ではない)をふたりがただ羅列していくだけのネタ。好きねえ、こういうの(笑)。

今野「(仮)」
高橋「カッコを取りたい」
今野「人と書き方が違う」
高橋「左手で書く」
今野「夏期講習」
高橋「通え。そして書き方を習え」

最後の方は今野君が直球の言葉を言い始めて、「あれ?ルールが…」とうろたえる高橋さん。女性客が多く遠慮がちな笑い声がする中、大爆笑している豊本さんらしき声…にウケました(笑)

〜エンディング〜
出てくるなり、石膏のむき出しの胸をさわりまくるふたり(笑)
高橋「その気になってくるのが不思議だよな」…そうなんですか(笑)
仕事でインドに行ったという高橋さん。帰ってきて2週間経つ今でもおなかの調子が悪いらしい。
高橋「ネタの合間に正露丸4粒ずつとか飲んでました」
始まる前もトイレに行っていて、でもトイレに行くにはロビーを通らなきゃいけないらしく、並んで待っているお客さんと目が合うらしい。でも高橋さんはすでにエプロンにはたきのいでたちで、お客さんは目を伏せてネタばれしないようにしてくれてた…という話。その話を聞いてるのか聞いてないのかよくわからん今野君(笑)。突然「ありがとうございました」とか言い出すし(笑)。さすが今野君、潔く流れを無視してます。高橋「夜の部も当日券がちょっとだけ出るみたいなので、よかったら観てください」ときっちり締めて終了。

<総評>
とにかくお尻が痛かった!だってベンチシートなんですもの!まわりの人、終わった瞬間みんなそう言ってたよ(笑)。
まあそんな話は置いといて。キングワールドにひたりっぱなしの2時間、大変満足しましたですよ。そして初単独とは思えないふたりの堂々っぷり。まあ図々しさともいいますけど。ええもちろん誉め言葉です。この調子でばしばし単独やってもらいたいものです。どんどん変態になってもらいたいものです。
やっぱりダントツに面白かったのは電話相談室とひろくんネタ。あの2本にキングのすべてが凝縮されてる気がする。中盤以降はちょっとダレ気味だったかねえ…でも生キングってだけで許せちゃうんだよね。甘ちゃんだわ。ああ、でも私はキングのことをあまり知らないんだなあと思うと淋しくなります。漫才もまだ観たことないし。やっぱりイベントに通わないとダメなのか…でも社会人にそんなヒマはねえんだよ。トークライブにも行きたいなあ…ほらほら欲深くなってきた。そんなコンビなんです。じわじわじわじわ虜になっていくんです。またオンバトに出てね。