花を惜しむ

阿佐ヶ谷へ。
取り壊しが決まった集合住宅の一部屋で開催されている「とたんギャラリー」というアートスペースに行く途中、突然の桜。
曇天が淡く咲き誇る桜を不安げに揺らしていて、奇妙な夢を見ている錯覚に陥った。
そして人は、刻々と過ぎ行く春を必死になって惜しむべく、狂ったようにシャッターを切るのだ。
来年も桜は咲くというのに、どうしてこんなにもせつないのだろう。