ウーマンリブ先生と、大沢蝉之介

サンシャイン劇場ウーマンリブ先生。わたしがもっとも苦手とする劇場で。池袋って立地も駅から遠いのも入ってから遠いのも、全部苦手。ついでに言えば劇場の感じも苦手。ちなみに苦手ナンバー2は芸劇。単に池袋が苦手なだけかも。苦手って字がだんだん若手に見えてきた。
大人関係はチケ取りの大変さと自分のテンションが比例しないので、もう行くのやめようって思ってたんだけど古田が出るっつうんで行かなきゃいけなくなった。松尾ちゃんとの共演なんてわたしにとっての神芝居「パンドラの鐘」ぶりじゃないかしら。ふたりのツーショットを想像するだけでカラダが粟立つので、うんしょうんしょ言いながらせっせと歩く池袋。でも事前に下ネタ祭りだと聞いていたので、あんまりうきうきしなかった。直接的なのってあんまり得意じゃないのよね、そんなふうにうつむきがちに会場に向かった。観た。思った以上に面白かった。
冒頭からツーショットだもの。しかも本名で呼び合ってるじゃない。ちょっとしたアドリブっぽいのもあるじゃない。女がいっぱい死んでるじゃない*1。にやにやしちゃった。「LAST SHOW」でも動物愛護家と見せかけて実は…的な役だったけど、今回はフェミニストと見せかけて実は…ていう、古田の恐ろしさが十二分に味わえるステキな役でした。ぞくぞくした。伊勢さんとのコンビ芸も絶妙で、特に古田の声フェチとしてはエロ小説を朗読するくだりがたまらんかった!松尾ちゃんの「ラブレターズか!」ていうツッコミも含めてたまらんかった!スクリーンにパソコンのデスクトップが出るところがステキだった。でも途中に出てくる映像はなんだかグロい予感がして、前髪をさわるふりをして手で視界をさえぎっていたわたくし。
あと、カヲルさんてすげえなって思った。どこからどうみてもカヲルさんというか、わたしがラジオとか聴いてないからかもしれないけど、こんなに素がわからない人ってすごいって思う。存在感と何やっても間違いない感じのところとか、特に最後カーテンコールが終わったところで1人で出てきて、「リーブ21の歌をさんざん歌ってたら発毛シャンプーが届きました」「今日見たことは全部忘れて帰ってくださいね」的な追い出し文句を言ったんだけど、これがもう完璧に仲居さんのキャラのまんまなわけ。うまく言えないけど、すげえなあって思っちゃったさ。
大人計画の芝居って、わたしにとってはオールスター感謝祭的な存在だ。売れっ子がどんどん舞台に出てくる。すごいすごい!そんな感じだ。大人を観始めたのは春子ブックセンターからなのでなおさらその印象は強いのかもしれない。しかもそのきっかけはパンドラの鐘の松尾ちゃんの演技だった。だから最初びっくりしたなあ。きれいな演劇しか見たことなかったから。それから何回か観たけど、やっぱりわたしのテンションは上がらなかった。残念だった。この村には越え難い壁があるなあって思った。ピンと来ない自分は相当子供なんだろうかと思ったりもした。でも人にはそれぞれ居心地のいい村ってのがある。わたしの村はここじゃなかったってだけだ。そうやってみんな、自分の村を探してるんだろうな。
18日の夜に放送された大人フェスドキュメントの話。*2みんなだまされてたようで安心した。通は知ってる大沢たかお黒歴史なのかと思ってた。どうもおかしいと思ったんだよ。フェスっていう華やかな題材なのに番組全体に漂うこの暗いテンションはなんだろうと。劇団員総出で神妙な顔してあることないこと言いまくりでやんの。なぜ大沢たかおだったのか、そしてなぜ彼はこの仕事を受けたのか。嘘とはいえセミの真似がうまいだの稽古に全然来なかっただの役をもらえなかっただの、イメージダウンに繋がりかねないことをさんざん言われまくる番組……やあ、さすがたかお、冗談の通じる役者だ。NHKの制作陣もこんな番組構成にするあたり並みのファンじゃないなあ。しかも後日ちゃんとフェス特番やるらしいし、どんだけファンなのよっていう(笑

*1:これは関係ない

*2:大沢たかおは昔1年間だけ大人計画の団員だったが水が合わず逃げるように辞めたという過去があった。そしてお互いビッグになった今、ン年の時を経て大人計画の面々にフェスで再会する……という趣旨のドキュメンタリー。しかし番組の最後で「大沢たかおに関する話はすべてフィクションです」というテロップが出た