巨顔inトーキョー

どぽんど@東京グローブ座を先週の金曜、観に行ったんでした。

陥人 ―どぽんど―
【脚本・演出】松村武(カムカムミニキーナ)〜シェイクスピア作品より〜 小田島雄志
【出演】山田まりや、森崎博之(TEAM NACS)、津田健次郎、林剛史、宝積有香小林健一(動物電気)、藤田記子(カムカムミニキーナ)、小手伸也(innerchild)、今奈良孝行(EHH∃)、町田カナ(reset−N)、松村武(カムカムミニキーナ)、佐戸井けん太
【公演期間】2006年9月6日(水)〜10日(日)
【劇場】東京グローブ座
http://www.nelke.co.jp/stage/dopondo.html

ヴェニスの商人マクベスとオセローがミックスされたお話。3時間弱の長いお芝居でした。モリがあんなにも主役だとは思わなかった!
再演には再演されるだけの理由があるはず。役者としての松村さんしか知らなかったので、「へえ、松村さんてばシェイクスピアやるのか!」と新鮮でした。話の運びは多少強引なところもあるけど、なかなか見ごたえはあったかと。でも原作をあらすじ程度でも知らないとあんまり楽しめないかも。次回のグローブ座が平幹二郎の「オセロー」つうのがまた笑えました。

モリはともかく(ともかく?)微妙にキャストがツボな今回。小手さんは相変わらず動けるデブとしていいアクセントに。笑いもそつなくこなしててやっぱり安定してるなーとニヤニヤ。今奈良さんのツッコミも安心して笑えてニヤニヤ。そしてなんといってもコバケンさんと藤田さんの漫才コンビが最高すぎました。間に入るまりやちゃんが霞んじゃってかわいそうなくらい。終盤の「お前はゲルググにそっくりだ!」から始まるガンダム小芝居に爆笑。自由だなあ……自由といえば松村さんの「徐々に徐々に……ジョジョの奇妙な冒険」というアドリブなんだか本気なんだかわからない台詞も最高でした。それからコバケンさんのキーマンっぷりがすごくて、裏主役は彼だったんじゃないかっていうくらい。お約束のふんどし姿を惜しげもなく披露……まあナックスファンの人には安田さんで慣れてるから大したことないのかもしれませんけど。あと、初めて観たけど津田さんという役者さんがよかったです。てにぷりとかに出てる人なのね。もったいない。もっといろんなお芝居に出ればいいのに!
まりやちゃんとモリがダブル主役みたいな感じだったんだけど、このふたりが他のメンバーに比べて真面目担当というか、モリは特に遊びの部分が少なすぎて、笑えるところといえば「なんということだああああ」的なね、モ芝居なわけですよ。わたし最初にモリが喋ったとき、あまりにもモ節が健在すぎてちょっと笑ってしまった。ごみん。東京でも大きな引き出し1つで勝負しているところに共感が持てます!(ある意味ほめ言葉)脇があまりにもインパクト強すぎたもんだから、なんだか面白みのない役どころに思えちゃってねえ。松村さんが彼の器量を見限ってお笑い部分を削ったのか、もともとこういう苦悩一辺倒キャラなのかわからないけど、ちょっとそこが残念でした。もっと笑いの中にいるモリが観たかったよう。だけどなーんかね、不思議だったですよ。こっちで普通に見てる役者さんたちがモリと芝居してるってことが。しみじみと「ああモリだなあ、ここは東京なんだなあ」って何度も思ってしまった。
カーテンコールで役者が日替わり挨拶をしてるそうで。松村さんが「じゃあ今日は森崎くん」と指名して盛り上がる客席。「2度目はないと思ってたんですけど…」と苦笑いモリ。へえ、2度目なんだしらなんだ。途中噛んで役者全員から総ツッコミ受けたりして座組みの雰囲気のよさが伝わってきました。「誰も知らないかと思いますが、北海道から来ましたチームナックス森崎博之です!」ってたぶん半分以上があなたのお客さんだと思うよ…。や、でもはきはきと低姿勢で挨拶する巨顔に、この人のリーダー気質はどこいっても変わらないなあと嬉しくなったのでした。愛されてるんだろうなあ。
そうそう、忘れてはならない巨顔っぷり。まりやちゃんと並ぶと倍だよ!びっくりした!でも小手さんとか今奈良さんとか藤田さんとかいたから、「ホワット・ア・ミラクルビッグヘッド!イッツワンダー!」とかまでにはならなかった。あと最初のモリの衣装、大泉さんに着せたらちょう似合うだろうなあと夢想したのはナイショです。言っちゃった。