ポツまる

タイトルを聞くたびに「えんや〜」という声が脳内に響き渡ることでわたしだけにおなじみの「○(maru)」を19日に観て参りましたよ。やあ、すっかり遅くなってしまった。それどころじゃなかったものだからナハハハハ。

ピンバッヂのガチャガチャを初めてやってみたよ。列が短かったから。たかがバッヂ1個に300円という事実を考えないようにして3回回したら、よりによって「レンズ」「good day house」「FLAT」…さようなら900円…もう二度とやらないよ…。

そして開演、終演、カーテンコール。

純粋におもしろかった。
前回のポつネんのときに感じたやるせなさのようなものはまったく顔を出しませんでした。ルービックキューブみたいなのも、怪獣をバラバラにしちゃうやつも、アナグラムは「またやるですか」と思ったけど走るメロスがとっても可愛かったし、音がぴちゃぴちゃ鳴るやつも、指で歩くやつも、白ヤギ黒ヤギの落語も、画家と雪だるまも、全部全部「すごいなあ」って。
そしてキラキラが降ってくるラストシーンを見ながら、「ああ、これは」と思った。これはライムライトだ、街の灯だ。チャップリンそのものじゃないか。
そしたら、急にすとんと腑に落ちた気がした。ヤギ落語を見ながら「ラーメンでやりゃいいじゃん」「このロマンチストめ」と普通だったら思いそうなことをまったく感じなかったのは、きっとそれがひとりの世界で完成されていて、わたしの心のエアポケットにぴたっとはまったからなのかもしれない。そしてこういう作品の根底に流れるものがたとえ「あざとさ」だったとしても、わたしはこういう世界が心から好きだし、この人はとても心の優しい人なのかもしれないと思わずにはいられない。甘い?甘くなんかない。別に同じ土俵で勝負してるわけじゃないし、わたしは客で彼は演者。どこで交わる運命でもなし、何を知ってるわけでもなし、彼は数あるフェイバリットのうちのひとつにすぎないんだから。

でも某さんの「K林K太郎とてっぺいちゃんは似てる」*1という言葉を思い出した途端、胸がきゅうっとなった。その時は反射的に「一緒にしないでください!」と顔を紅潮させたものだったが、板の上でひとり奮闘する彼を見るうちにその事実は醤油のシミみたいに心の中へ染みこんで消えなくなった。うん、似てる。似てます。ぬおおおお。好きになったのも運命なのかもしれないネ☆キャハハ☆

大人をこんだけうならせるんだから、きっと子どもなんかもっとたやすく喜ばせられるはず。K太郎先生が繰り広げる魔法みたいなそのからくりを、目をキラキラさせながら食い入るように見つめる子どもたち、なんて画を見てみたいなあ。ようこそ先輩に出てみたらどう?

*1:自分でなんでもできてしまう。ゆえにワンマン、たまに独りよがり。まわりがあんまし見えてない。芸術家。