COMPOSER in 米どころ

というわけで行ってきました新潟、2ヶ月ぶり2回目のCOMPOSER。
「ちょう会いたかったのぉん!」と内股でブリブリと走り寄りたい気分を必死に抑えながらライドン新幹線。いやあ〜、台風行ってくれてホントによかった…。
新潟は3度目だけど、いつもひとり旅で一度も観光したためしがないわたくし。過去2度はバインを見に来て、やっぱりどっちも日帰りだった。新潟ってわたしにとっては遠征の地なんだなあ。日帰りで来られるギリギリのラインがここ。だから名物を食べたこともないし、ろくにおみやげ買って帰ったこともない。駅前の景色しか知らないし、なんか、ちょっと申し訳ない。すごいもったいない。でも今回も例に違わずなんだなあ…!

以下、長すぎるのでたたみます。新潟プチ旅行記と、ネタバレなしの観劇レポ(ってほどたいしたもんじゃない)ですよ。

爆睡の2時間半を経て降り立った新潟駅、天気もよくて風も気持ちがよかった。会場までは車で7分って書いてあったけど、20分くらい歩けばさすがに着くだろう。歩く道すがら、良さそうなレストランがあったら入ってご飯食べればいい。
……この甘すぎる認識に後で泣かされることになるのだが、わたしが歩きたかった理由は他にもあった。
信濃川にかかる万代橋の手前にフェイズというライブハウスがあって、ここでわたしは2度バインを見た。わたしがバインにいちばん心酔していたころの思い出がいっぱい詰まってるライブハウス。地図を見なくても場所は覚えていて、どうしてももう1度その佇まいを見てみたかった。あと、いつも信濃川を渡れなかったから、今日こそは渡ってみたかった。

そんな理由で歩き始め、フェイズを横目で見ながら広い信濃川るんるん気分で渡る。しかしそんな気分も長持ちせず、暑さにヘバりはじめるわたくし。目指すはあと二つ先の橋のたもと……やっぱりバスに乗るんだった。川っぺりを延々と歩きながら、だんだん気持ちが焦ってくる。こんなところ歩いてたら絶対お昼なんて食べられないし……。しかし赤とんぼが秋を告げて飛び交う中、夏の名残の陽を受けてまぶしくきらめく川を見ていたら、なんだかとても豊かな気持ちになっていくのがわかった。
来てよかった。歩いてよかった。夏の終わりを、心で感じられてよかった。

……なんて悠長なこと言ってるバヤイではない。早くしないとメシが食えぬ…!半ば歩け歩け大会みたいになりながらやっと到着!しかしどこから入るのかわからず何度か川っぺりを往復するわたし。ダメ人間すぎる。やっと入り口を見つけ、階段を上がると会場併設のカフェを発見。ここでええがな。名物を食べるつもりがロールパンサンド2ヶという、なんともわびしい有様。ええい、この際贅沢は言わん…!

さ、こっからやっと本題ですよ。前置き長すぎでごめんちゃい。

自分の席に座ってみて、4列目の脅威を知るわたくし。近い、近すぎるよ…!これまでいろんな芝居でいい席に当たってきたけど、心が震え上がるほどテンションが上がったのは初めてだ。
面白かったのは、やっぱりいい席らしい青年2人組の会話。
「すげえ近けえ!こんな近くで音尾さん見られるなんてテンション上がるよなー!」
…思わず吹きそうになってしまいました。あんまりにもほほえましくて。そして音尾くんというチョイスに。
後ろに座ってた女性2人組の会話。
「こないだ両国のシアターXに行ってきたんだけどね…」
あ、東京組だ*1。やっぱりここもそうか…。わたしも人のこと言えないけど、全国公演の意味ってあんまりないよね…。そして開演時間が近づくにつれ上がるわたくしの心拍数。仙台のときの比じゃないよ…!むほー!むほー!誰かー!誰かー!(呼吸困難)

暗転、前口上。心臓破裂寸前。そしてスポットライトを浴びて登場する兄さんたち。

うっわ……

口ぽかーん。どんなカオしていいのかわからなくて、半分ニヤけたブサイク面をさらしていたにちがいありません。だって、この人たち、まぶしすぎる…!*2
あまりに近すぎて、かえって実感がわかなかったくらい。テレビで見てるようだったもの。そんでアレだ、足ながーい、スタイルいーい、うっとり…のくり返し。見てるうちに急に現実味がわいて、「すげえ近くにいる…!」という事実にこう、恥ずかしながらアレだ、感極まってアレだ、ブルッと震えてポロッといきそうだったくらい。
私の中に、少女が帰ってくる。
……とまあ、マークXばりのキャッチコピーをつけてお茶を濁させていただきたい。お察しください。

公演終盤の気合いなのか場数を踏んだ成果なのか、とにかく兄さんたちの渾身の演技に圧倒される。そして仙台ではとうてい見ることの叶わなかった表情がつぶさに見えたおかげで、物語への、そして登場人物への入り込み度が格段に増し、目が心が、語感すべてが舞台の上に釘付けになった。大泉さんももちろんだけど、特にシゲ。こんな鬼気迫る表情で演じてたなんて。すごくよかったよフランツ、当たり役だ…!
テンポの良さ、お約束の見事な決まりっぷり、ツッコミのユニゾンの正確さ、キャラクターへのなりきり度、そして伝えるべきメッセージ。わたしの目は今限りなく盲目なので正確な判断はできてないかもしれないけど、すべての要素がバチッとハマっていてすごく気持ちがよかったのだ。その感覚はまぎれもないホンモノ。5人だからできること、5人にしかできないこと。この5人で作り上げるということの意味とその魂に、わたしはひどく感動した。

今回、わたしの涙腺決壊ポイントはサリエリ先生でした。最近モリの芝居に弱くて困る。中盤以降でサリエリ先生が絡んでくるシーンにはとにかくやられまくり。あらゆる意味でデカい芝居なのに、心が揺さぶられて仕方ない。どうしよう、わたしが今まで見てきた芝居の概念がなんだか覆されそうだよ。リーダーおそるべし…!きっと彼のあったかい人柄が、役を通じることによってさらに増幅されて伝わってきたからなのかもしれないなあ。

この芝居に限って、わたしは総括的な感想を冷静に書くことができません。初生ナックス、初芝居遠征、そして米米のときと同レベルのときめき。それだけでも常軌を逸しているのに、こんなにもパンチの効いた物語と魂の演技。語れと言われましても。無理だ。無理だよ。DVDが出るころ*3には、少しほとぼりも冷めていくらかマシな文章も書けるかもしれないけれど。今は無理だ。飽和状態だもの。

やっぱりラストシーンは鳥肌たっちゃうんだよね〜。主役の人はともかく、フランツの指揮にちょっとときめく自分がくやしい。そんでやっぱりひとりだけちょっと妖怪っぽいモーツァルトの指揮に微笑…ずっとそのままの安田さんでいてください。

自分のためにカーテンコール覚え書き。
音尾:インフォメーション!本日9時15分から金曜時代劇見てください!ほんのちょっとしか出てませんけど!
佐藤:先ほどの金曜時代劇、タイトルは「秘太刀・馬の骨」です(なぜかタイトルを言わなかった音尾くんをしっかりフォロー)。実は僕もちょこっと出演させていただいています。馬の骨役です。「どこの馬の骨だ!」/地元度調査・新潟からお越しの方拍手してください。……5割ってとこですかね?県外からもたくさんいらしていただきありがとうございます。交通費を負担したいくらいです。
大泉:インフォメーションパート2!7時からぐるぐるナインティナインゴチになりますに出てます。おごら…いやいやいや、見てください。そして9時15分になったらテレビを消して寝てください。昨日の夜は対決列島やってまして、私と安田がしろくまを買いに走ってましたけども…(「見たー!」という声に)聞いてねえよ!
安田:新潟には安田大通り、ヨーグルトは安田ヨーグルト、今はないそうですが安田アイランドまであったそうで…(拍手)いや、拍手されても僕のことじゃないんでね。残り夜公演と凱旋公演、元気いっぱい死人の役を演じたいと思ってます。
森崎:芝居をぶちこわすようなコメントばかりですみません。リーダーらしくきっちり締め。 
拍手鳴りやまず、再び出てくる兄さんたち。会場、浮き足立つ。名前を叫ぶ人もいて軽くワーキャー状態。アイドルさんだなあ…!
モリ、感謝の挨拶。「今日はたくさん日本酒を飲みたいと思います!」声援に応えながらハケ。大泉先生は優雅に大きく手を振りながら、最後は投げキッスでご退場。やー、ステキすぎて目がくらんだ。

客電がつき、誰とも感動を分かち合えないわたしはひとり浮き立つ心を抱えてアンケートを書き(しかしろくなことが書けない)、帰途へ。しかし変なとこから来たので駅行きのバス停がどこにあるのかわからない。右往左往。タクシーに乗ろうにも万札しかない。右往左往。ようやく警備員の人にバス停の場所を聞いて走り出すわたくし。心ここにあらずもたいがいにしてくださいよーお客さん…。
バスに乗り込み駅でおみやげを物色。家に買って帰りたかったお米のフロマージュ、持ち歩き時間4時間までだって!新幹線だったら持って帰れてたね…バスだと5時間強だもんね…切ない気持ちで店に背を向け、お菓子コーナーを物色していたら安田の牛乳チョコクッキーを発見。安田さんが言ってたのってこれか!「安田」と「牛乳」という単語の組み合わせに内心爆笑しながらお買い上げ。家には枝豆まんじゅう(最高にうまかった!)。

帰りの高速バスは満席で、しかも隣がわたしより若そうな青年だったけど、上機嫌だったのと乗り物に乗ると即座に寝てしまう体質のため何の不便もなく快適に帰り着きました。楽しかった。最高の旅でした。新幹線2時間半、芝居2時間半、高速バス5時間で合計10時間座りっぱなしだったわけですが、腰もお尻もちっとも痛くならず。はいみなさんご一緒に〜、愛があればラブイズオーケー!

*1:しかも何の公演かわかってしまった…

*2:アホの子の感想

*3:12月22日発売!クリスマスプレゼントに最適ですよ奥さん!(宣伝活動)