新編・吾輩は猫である

新編・吾輩は猫である@シアタートラム
作:宮本研 演出:井上尊晶
出演:小林聡美高橋克実高橋一生/梅沢昌代/坂田聡山崎一綾田俊樹

味わいのあるお芝居でした。

一生くんが猫。もう、それだけでわたしはときめいてしまいました。別に猫耳とかはつけてないのよ。猫らしいしなやかな動きとかわゆい笑顔にびっくりドンキーだよ☆(わかりにくい)
芸達者ばかりなので安心して舞台を見ていられる心地よさ。でも綾田さんの台詞がほかの人より圧倒的に多くてちょっとヒヤヒヤしちゃった。山崎さんは出オチというか、もう見た目がとにかくおかしくてたまらんかった。聡美さん、坂ちゃん、カッツミー、山崎さんの横並びの芝居はある意味眼福でございました。
観に行く前に、もうちょっと漱石周りをちゃんと読み返しておけばより理解できたのかなーと思いつつ。夢十夜の百年の女の話はちょっと演出が残念だったな。だってまずあの女のイメージが聡美さんじゃないもの!申し訳ないけど。あの短編には異常に思い入れがあるのでどうも頑固になっていかん。しかしお芝居自体はあの時代の空気をやわらかに感じられる、とても風情豊かな仕上がりでした。正しい「芝居」という感じ。トラムというハコにとてもマッチしていました。
今回は舞台らしい舞台というものがなくて、幅60㎝くらいの縁側的な板の上でみなさん芝居をなさる。坂ちゃんが夏目家に結婚報告をしに来るシーンで、カッツミーがバランスを崩して向こう側に落っこちてしまうというハプニングが!聡美さんに手を貸されて苦笑いのカッツミーに「だいじょおぶですかあ?大事な話しようとしてたのに!」とナイスフォロー、さらに会場大爆笑。やっぱし坂ちゃんのアドリブ力ってすげえなあ*1。カッツミーったら「間取りが変わってるもんで」だって!やあ、おもしろかった。

*1:「痛くなるまで目に入れろ」で久ヶ沢さんがぐだぐだだったときのフォローが最高だった